この世にロックが誕生し50年以上が経った今、究極のロックアルバムとは一体何なのでしょうか??
それをトコトン突き詰めてみようというのが、今回の企画。この記事では2000年代にフォーカスを当ててみます。
まず2000年代と言えば、1990年代のオルタナティブ・ブームの反動で、新しく巻き起こったヘヴィ・メタルのブームでしょう。
そして、そのブームに喝を入れるかのごとく新星のように現れた「ザ・ストロークス」。その後、彼らを筆頭に独自の音楽を武器にした新世代のバンド達が巻き起こした「ロックンロール・リバイバル」。
さらにアメリカでは、エモが文化レベルで認知されるようになったり、イギリスではブリッド・ポップ期に結成されたバンドたちが、瞬く間に成長したりと非常に音楽シーンを沸かせました。
またiPodの登場により、音楽を聴く側のスタイルも大きく一変した時代でもあります。
そんな2000年代から、究極でベストなロックアルバムを10枚、洋楽ロック好きの僕が独断と偏見で選びました!!
それで紹介していきましょう!!
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- 1. Is This It / The Strokes(2001年)
- 2. KID A / Radiohead(2000年)
- 3. Elephant / The White Stripes(2003年)
- 4. Meteora / Linkin Park(2003年)
- 5. “Whatever People Say I am,That’s What I’m not” / Arctic Monkeys(2006年)
- 6. Up The Bracket / The Libertines(2002年)
- 7. A Rush Of Blood To The Head / Coldplay(2002年)
- 8. Franz Ferdinad / Franz Ferdinad(2004年)
- 9. Funeral / The Arcade Fire(2004年)
- 10. The Black Parade / My Chemical Romance(2006年)
- つじもんのまとめ
1. Is This It / The Strokes(2001年)
究極の音楽、無駄のない完璧なサウンド。
極限にまで削ぎ落とされたシンプルで洗練されたロックンロール。このアルバムには一切の無駄がありません。その細部にまで、きめ細かにデザインされた音楽はどれもが美しい。
今聴いても間違いなくアーティスティックでスタイリッシュ。抜群のカッコよさ。いやマジでホント素晴らしい。
このストロークスは、各楽曲の完成度、音の鳴りの斬新さ、バンドの方向性などなど、どれをとっても唯一無二の存在。
そして、このアルバムによってアメリカの音楽シーンに新たな革命が起こったのです。世界中の何千、何万というバンドが彼らの後を継ごうとしました。ところが、どれもが“模倣”レベル。全ての面において、この作品を超すバンドなど登場しなかったのです。
そのムーブメントは後に「ガレージ・ロック・リバイバル」と呼ばれ、2000年代の重要な音楽業界の転換期となりました。
そんな歴史に永遠と名を刻むに相応しいストロークスの「Is This It」。
まぁ、つべこべ言わずとりあえず「Last Night」と「Hard To Explain」だけでも聴いてくれ。その楽曲たちにはストロークスの魂が、彼らの命が宿っています。
この作品は、2000年代の新しい音楽シーンの幕開けを高らかに宣言したアルバムとして、人々の記憶に永遠に刻まれることは間違いないでしょう。問答無用の超超超超大傑作。
何を隠そう、僕のこのブログの「白」を基調としたシンプルなデザインは、この「Is This It」に触発されて生まれたものなのです。洗練された美しいデザイン。音楽業界に起こした歴史的な革命。そして人々の永遠の記憶に刻まれるブログでありたいと願って…。そう、「Is This It」のように。
2. KID A / Radiohead(2000年)
ロックは進化し続ける。
前作から大幅に音楽性が変わって、レディオヘッドは帰ってきました。
エレクトロニカの要素が非常に全面に押し出され、世界中を震撼させた歴史的な一枚。
これによってトム・ヨークが表現する世界観は、より押し広げられ、崇高なものになりました。
そして、それまでのロックと言われていた音楽がいかに表現として生ぬるく、幼稚だったかを浮き彫りにしてしまったのです。この作品が登場した後に「キッドA以降」という言い方が、ロックを語る上で使われるようになりました。
なんとも言えない世界の終焉感。このアルバムこそ、真の意味で「世界の終わり」を表現しています。「キッドA」はそれほどまでに暗く、切なく、そして寂しい。
この作品があるのとないのでは、2000年代の音楽史は全く異なったものになっていたのは間違いありません。
3. Elephant / The White Stripes(2003年)
ブルースは時を越え、そして生まれ変わった。
先ほど紹介した「ストロークス」が「光」ならば、この「ストライプス」は「闇」。ストロークスとは同時期にデビューしたこともあり、よく一緒に“ロックンロール・リバイバルの旗手”と見なされていました。
このバンドは、ギターの天才・ジャック・ホワイトとその姉、メグ・ホワイトという姉弟デュオ。2人のみで構成されています。本当は夫婦という噂も流れていますが、今回の企画の主旨とはズレてしまうため、これ以上言及しません。
ベーシストがいない、わずか二人という特殊な編成で組まれたこのバンドは、最初からブルースやロックンロールの境地を遥かに越えたところに達していたのです。
なぜ一本のギターとドラムのみの構成で、そこまで人を魅了することが出来るのか。もはや理解不能です。
もはや他のバンドとは別次元のメカニズム。それを証明したのが、この「エレファント」というアルバムです。
既存の音楽を破壊し再構築することで、彼らの音楽が、そして時代が誕生しました。
多くの同世代のミュージシャン達に多大な影響を与えたのです。彼らのブルースやカントリーを愛する気持ちが、そのままこのアルバムに、音として表現されています。
ブルースが時代を越え、そして生まれ変わった瞬間でした。
4. Meteora / Linkin Park(2003年)
次世代の超怪物バンド、ココに現る。
ヘヴィ・ロック、ラップ・メタルの勢いが衰えてきた頃、リンキン・パークは超新星の如く現れました。
ファースト・アルバムの「ハイブリッド・セオリー」で、ヘヴィ・ロックシーンを一新。一躍、シーンを代表する超怪物バンドへと化けたのです。
そんなリンキンが放つ2000年代史上、最強にして最高のクオリティを誇り、世界を圧倒した伝説のセカンド・アルバム。
絶叫を交えたヴォーカルとスケール感溢れる重厚なギターサウンド、パンチの効いたラップ。
このアルバムから一曲選べと言われたら間違いなく「Numb」を選ぶでしょう。
美しすぎるピアノの旋律、言葉では言い表せないベースの圧倒的なカッコよさ、計算され尽くされ完璧に作りこまれたメロディ。
そして近未来を感じさせる壮大な世界観。
全てが完璧。全てが美しい。そしてその全てが奇跡。まさに究極。
もう語り尽くせません。
当時は、トレンドの産物という声も多くありましたが、このアルバムを改めて聴いてみると、そんな戯言なんてもはやどうでもいい。リンキンは孤高の存在として、自身がやりたこと、やりたい音楽をトコトン突き詰めていくこと、それが正しいことだと今も証明し続けています。
この作品は誰が何と言おうと、間違いなくリンキン・パークの最高傑作。
新作が出る度に、彼らのアルバムを隅々まで聴き倒しますが、もはや彼ら自身ですらこの作品を越えることはできないでしょう。
このアルバムが誕生したのは、本当に奇跡。
メテオラよ。この世に生まれてきてくれて、ありがとう。
5. “Whatever People Say I am,That’s What I’m not” / Arctic Monkeys(2006年)
「他人がなんて言おうが、それは本当のおれじゃない。」
そんなアルバム・タイトルを引っさげた「アークティック・モンキーズ」衝撃のデビュー作。
インターネットを通じて爆発的に口コミが広がり、一気に成長していったのも時代の潮流に逆らわなかったから。
その結果、インディ・レーベルにも関わらず、UKロックの頂点まで上り詰めてしまったのです。
ベスト・ワンにしてオンリー・ワン。
正統派なロックンロールでありながら、タイトで素敵すぎるR&Bは、本物のブリティッシュ・ロックの後継者と言えるでしょう。
この作品ほど、2000年代を象徴しているアルバムも珍しい。そんな一枚です。
6. Up The Bracket / The Libertines(2002年)
新たな時代の幕を開けることを高らかに宣言した鮮烈のデビュー作。
ストロークスを発端とした「ガレージ・ロック・リバイバル」は当初、アメリカ・オーストラリアなどイギリスにとって“海外産”のバンドが担っていました。
ところが、そんな状況に変革を起こしたのが、ロンドン出身の「リバティーンズ」というバンドだったのです。
スピード感溢れるエッジの効いたギター、美しいメロディ、個性が際立つツインボーカル。
それらの魅力を武器にしてロックを聴く人々の心を鷲掴みに。
UKロックの歴史に刻まれるに値する、新世代アンセムです。
瞬く間にUKロック新時代の旗手として、数多くのフォロワーを生み出しました。2000年代の若い世代たち全体の「指標」となったのです。
7. A Rush Of Blood To The Head / Coldplay(2002年)
静寂の世界。それはあまりにも静かで冷徹な音でした。
今や日本でも超有名になった「コールドプレイ」の第二作目。
この「静寂の世界」は異次元。まさに異次元空間にぶっ飛ばされた錯覚を覚えます。
真っ暗な真冬の草原で粉雪が降り積もる中、音楽を聴いているような感覚。暗闇に包まれ、僕一人だけが取り残された氷の世界。
冷徹で美しいサウンドスケープ…。
トレンドや時代性なんて全てを無視し、彼らの音楽の本質が凝縮されている究極の一枚。
クリス・マーティンの歌とピアノを中心に奏でられる、清らかで静寂な音世界。
異次元で静寂な音世界を体験したいという挑戦者を求む。
8. Franz Ferdinad / Franz Ferdinad(2004年)
溢れんばかりのセンス、完璧な走り。
イギリスを圧巻したフランツのデビュー作は、革新的でした。
シャープかつ大胆にかき鳴らされるギター、あまりにも精巧に組み上げられたリズム、勢いに満ちた楽曲の数々。
ロックをダンサブルに仕上げたセンスの逸品さには、神が宿っています。
まさに天才。
粋でオシャレな彼らの佇まいも手伝って、まばゆい光の輝きを放っています。
聴く者を一瞬で虜にする超クールなキラー・チューン「take me out」。その他にも一度聴くと耳からは慣れない即効性に満ちた楽曲も要チェック。
この作品でイギリスは変わりました。そうです。この作品以降、イギリスはロックで踊り始めたのです。
9. Funeral / The Arcade Fire(2004年)
カナダから生まれた情熱的で誠実な音楽。
2001年9月11日に起こった、アメリカの同時多発テロ。それ以降、アメリカの経済だけでなく、音楽業界も大きく変わりました。
国民が納得のいかないブッシュ政策に、ロック界もいよいよ政治的なメッセージを発するようになったのです。
彼らはアメリカのテキサスを捨てて、カナダに移住。
そこで音楽活動を継続し、奇想天外で広がりをもった音楽を展開することになるのです。
何かに怯えならも力強く一歩前に踏みだそうとする歌声は劇的でもあり、感動的。
この作品は、もはや心と魂の叫びです。
10. The Black Parade / My Chemical Romance(2006年)
ようこそ。マイケミの世界へ。
エモーシャナル・ロック・バンドのレジェンド「マイ・ケミカル・ロマンス」。
この「ブラック・パレード」というアルバムは、ビートルズ、クイーン、ピンク・フロイドなどの伝統的な血を引き継いでいます。
それは、アルバム一枚で壮大な物語を描いているというコンセプト・アルバムになっているということ。
「死」をテーマにしており、強烈なドラマ性、表現力、疾走感、そしてその世界観は素晴らしい。アルバム全体だけでなく、一曲一曲も優れたクオリティを持っており驚異の完成度を誇っています。
まさにレジェンド。
年齢、世代、性別、全てに関係なく一度聴いた者を、一口に飲み込んでしまうほどのパワーを感じます。
つじもんのまとめ
2000年代の歴史に名を残す究極の洋楽ロックの名盤ベスト10でした。
僕の激推しは、ストロークスとリンキン・パークです。
そして、レディオヘッドの偉大さを再確認させられました。彼らは化け物ですね。何回歴史を塗り替えてるねん。
この記事で紹介したアルバムは聴いて損はさせません。絶対に。
今回のアルバム以外で、あなたがオススメのものがあれば是非教えて下さいね。
それでは、また次の記事でお会いしましょうー。
じゃあねー。