全力でおすすめしたい好きな邦画ランキングベスト50!日本映画の面白い名作たち!!

全力でおすすめしたい邦画ランキング

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こんにちは!つじもん @tsujim0nです。

ボクは映画が好きです。ずっと洋画ばっかり観てたけど、ここ最近は邦画にどっぷりハマってしまいました。そこで今回の記事では、ボクが好きな邦画ランキングベスト50を発表します!!

アクションやサスペンス、恋愛もの、時代劇からコメディ映画まで様々なジャンルより作品を選出。あんまりホラー映画は観ないかなーって感じです。サイコ・サスペンスは好きだけど。

作品を選ぶにあたってのルールは特にありません。んで、映画の紹介はできるだけ「ネタバレなし」で書いています。もしうっかりネタバレしてたらすみません。簡単なあらすじや、バレても大丈夫なストーリーの説明だけ付け加えています。

それとこの記事はめちゃくちゃ長いです。お時間のあるときにどうぞ。

あと「あの作品がない!」とか「なんで、◯◯が入ってるの!?」という意見もあると思いますが、好き勝手に書いている記事なのであしからず。

まだまだ面白い作品や有名な映画も見逃してると思います。なのでここに載ってないオススメの作品などがあれば、ツイッターなどでドンドン教えて頂けると嬉しいです!!

それと「ジブリ映画」も好きですが、入れてしまうとキリがなくなるので、今回は省いています。ご了承ください!!

さてさて前置きはこのへんにしておいて、それでは1位から順番に作品を紹介していきましょう。

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第1位 幕末太陽傳(1957年)

まずはこれ。間違いなくこれ。日本映画史上、最高の痛快コメディの傑作。笑いあり!!涙あり!!人情あり!!で、古典落語の良いところだけをブレンドしまくった、まさに至宝の時代劇エンターテイメント。

テンポの良さ、リズム感あふれる演出、キャスト陣がお互いの存在を高めあうような演技。どれをとっても渾身の一作で、ハンパない面白さ。川島雄三監督の中でも間違いなく最高傑作!!

物語の舞台は、江戸時代末期の遊郭。頭が切れて天才的な主人公・佐平次(フランキー堺)が、遊郭で遊びまくるも、お金が払えず自らすすんで遊郭で働く展開に。んで、トンチを利かせながら、そこで起こるイザコザを次々と解決していきます。

フランキー堺の軽妙なセリフや機敏な動き、そして切れ味バツグンのギャグセンスが超楽しい。落語の世界がそのまま映像化されたみたいでクッソ面白い。もうね、全くもって文句なし。圧巻の演技をしっかりと魅せてくれます。

んで、60年前だとは到底思えない「南田洋子」と「左幸子」の破壊力を観よ!!!!!!!真の美人はどれだけ時代を越えようが関係ない。そんで、いつの時代でも女子って怖ええええええええ!!!!!!!!!って感じるはず笑。

そして、ただただ笑えるコメディ映画ではなく、「人の死」という普遍的なテーマにまで手を出してるところがスゴい。

川島監督が、主人公のフランキー堺に自身を投影しているシーンもあってなかなか奥が深い。そのせいかラストの展開には独特の哀愁が漂ってて、強烈な余韻が残りました。

さすが川島監督です。ここまで緻密に計算された脚本のうまみは、ほかの映画では絶対に味わえません。この上なく計算され尽くしています。

んで、佐平次が言う「手前一人の才覚で世渡りするからにゃあ、へへ、首が飛んでも動いてみせまさあ!」とか、なんとも粋なセリフもてんこ盛り。“川島節”も炸裂。マジでトリハダもの。

とにもかくにも堂々の第一位。川島雄三監督、フランキー堺をはじめとするキャスト陣、制作スタッフ、関係者の皆様には多大なる敬意を表して、この順位を送りたいと思います。

この『幕末太陽傳』こそ、この国の最高傑作としておすすめしたい。いくら褒めても褒めたりないほどの傑作。これから初めて観る方は幸せ者です。(ただ監督が構想していた“幻のラスト”の展開も観てみたかった)

第2位 悪魔の手毬唄(1977年)

市川崑監督&石坂浩二の「金田一シリーズ」第2弾。歴代の「金田一シリーズ」史上、ミステリーとしてもホラーとして最高の作品。というか歴代日本映画の中でも最高傑作、と呼ぶにふさわしい超極上の傑作サスペンス。

前作『犬神家の一族』がとてつもなく評価されてますが、鑑賞後の満足度は、確実にこっちの方が上。もはや桁違い。単なるミステリー映画として終わってないところが素晴らしい。

“手毬唄”になぞらえて起こる連続殺人事件の不気味さ。人間関係の複雑さ。同情せずにいられない犯人の動機。それらが複雑かつ難解に、全てがあまりにも高次元で見事に結びついています。それゆえに面白さは格別。犯人を推理するのがこの上なく楽しい。

そんで、ひょうひょうとして掴み所のない金田一を石坂浩ニが好演。今まで何度もリメイクが行われましたが、金田一耕助はこの男以外絶対にありえません。残酷な殺人事件が連続するのに、鑑賞後の後味が清々しいのは石坂浩二の魅力ゆえ。

また、市川崑監督がこの作品にかけた情熱も凄い。たった数秒のシーンに数日も費やしたというこだわりっぷり。しかも、1度全編を撮影してから、もう1度、別のカメラアングルで全編を撮り直した悪魔のようなエピソードも。そんで、その中から最高のカットが選び抜かれたスタイリッシュな映像たち。

市川崑監督の“世界”がココにあります。

すべてにおいて完璧で、まさに時代をも超越する黄金比的なバランス。そして普遍的な面白さ。登場人物の繊細な心理描写も含め、どこから斬りとっても超一級品。ミステリー映画なのに、何度観ても楽しめる稀な一本です。

第3位 日本のいちばん長い日(1967年)

戦争映画にも関わらず、細かい理屈抜きで、どちゃくそ面白い。特に脚本が。恐ろしいほど強烈で斬新でした。

1945年8月14日正午から翌日15日正午までの1日を、ドキュメンタリータッチで描いた超ド級の戦争超大作。

終戦にいたるまでの政府と軍部内の動向が、ノンフィクションで徹底的にリアルに、そして目にも留まらぬ早さで展開されていきます。

監督は、実際に兵士生活を体験し『独立愚連隊』シリーズでヒットを飛ばした岡本喜八。2015年にリメイク版が公開されましたが、明らかにこっちの方が見応えバツグン。

リメイク版も面白いっちゃあ面白いですが「なぜわざわざリメイクしたんだ?」ってほど次元が違います。

前半はほぼ会議シーンのみで構成されていますが、全くもって目が離せません。1つ1つのセリフに「リアルさ」と「重み」があるので、これでもかってくらい映画の世界にガンガン引きずり込まれます。もうすげえよ。マジで。はじめて観たときは最高にシビレました。

んで、キャスト陣には、三船敏郎、加山雄三、黒沢年雄、宮口精二、志村喬、山村聰、笠智衆、佐藤允などなど、アベンジャーズかよ!ってくらい邦画界の超豪華なスーパーヒーローたちが集結。

そんで、その中でも黒沢年雄が、ほかすべての出演者を丸飲みしてしまうほどキレッキレの怪演を魅せてくれます。主演のあの“世界のミフネ”よりも存在感を放ってるのが何よりもスゴい。

とにかく、パワフルなエネルギー全開で観る者を問答無用でなぎ倒していく“アツさ”にみなぎっています。

この完璧でスピーディーな作品を完成させるために、一体この監督は何度脚本を読み直し、考え抜いて、編集を繰り返したのだろうか。

その膨大な試行錯誤を想像すると、これはもう圧倒されるしかありません。天才にしか許されないそれは絶対にマネできないし、この辺りはさすが岡本喜八監督。

いまの日本が、なぜ平和な国になったのか。この1日に、どれほどの血と汗と涙が流れたのか。そして、どれだけたくさんの命と生きる希望が失われたのか。

日本人であれば胸がエグられるほど痛々しく、魂レベルにまで響くものがあるはず。その歴史の重みを是非とも噛みしめて頂きたい。

日本の戦争映画の中でも、ぶっちぎりでダントツNo.1の面白さ。どの角度から観ても、まさに死角なし。日本よ、これが映画だ。

第4位 天国と地獄(1963年)

日本の映画史を根こそぎから塗り替えまくった監督として、黒澤明が地位・名誉・金・俳優などすべてを手に入れた“黄金時代”に創った最高の作品。

ストーリーは、誘拐犯と刑事による息もつかせぬ超濃密な攻防劇。もはや映画とは思えないほど、登場人物の心理描写がめちゃくちゃ鋭く描かれています。

そして誘拐された子どもの“家族役”に世界の三船敏郎を。さらに犯人を知能的に追い込んでいく刑事役に仲代達矢を抜擢。

とにかく黒澤明監督と三船敏郎、そして仲代達矢の“ダイヤモンドトリオ”が起こす化学反応がヤバイ。

特に、前前作『用心棒』から少しずつ頭角を表してきた仲代達矢が、この作品では大爆発しています。(この映画の次作『赤ひげ』を最後に、黒澤監督と三船敏郎が仲違いし、それ以降の黒澤は仲代達矢とコンビを組むことになるのも感慨深い)

で、143分間ノンストップ。最初から最後まで、フルスロットルで駆け抜けていきます。これでもか!ってくらいエンジン全開です。

映画が始まって1時間1分あたりまで全く音楽が使われていないのに、カメラワークとセリフだけでストーリーを魅せていくのがあまりにもうますぎる。

そして、この映画の一番の見どころはなんと言っても「身代金の受け渡し」のシーン。リアル過ぎる緊張感と怒涛の展開に、映画の世界に飲み込まれてしまうこと間違いなし。法律の穴に目をつけ、機転が利く頭脳犯の犯行にも注目です。あまり詳しく説明すると、ネタバレしそうなので詳細は是非とも本編を観て頂きたい……!!

また、映画のとある1シーンのために、画面上で邪魔になる家屋をぶっ壊したという地獄エピソードも。他にも映画公開後に数多くの模倣犯が出現し、刑法が改定されるという黒澤伝説も残っています。やっべーです。マジで。

これほどまでに、血のにじむような思いで考え抜かれたであろう脚本がほかに存在するだろうか?いや、ない。すべての日本サスペンス映画の原点でもあり、これこそが出発点。

黒澤明監督でしかありえないぶっちぎりの完成度を誇っています。誰もが創りたくて創れない奇跡の一本。きわめて高い計算のもとに行われた撮影、編集テクニックが堪能できること間違いなし。控えめに言って最高です。

第5位 愛のむきだし(2009年)

この『愛のむきだし』もヤバイです。いやマジで。もう色んな意味でヤバイです。これも死ぬまでに1回は観て欲しい。

バイオレンス、工口、アクション、犯罪、カルト宗教、精神崩壊、恋愛、家族愛、サイコホラーなどなど、ありとあらゆる要素がぶちにぶち込まれた究極の変態映画。

上映時間がおよそ4時間の超長大作ですが、ハンパない面白さ。これぞ怪作。というか超問題作。最初から最後まで全くもって飽きません。天下無敵、2000年代最強のB級映画です。もうね、こういうのたまらん。

ストーリーは、一つの家族が段々と狂っていく様が描かれています。あまりにも暗くて怖すぎる話を、ファンタジーのレベルにまで昇華させてるのがスゴい。

面白すぎて、4時間という上映時間が一瞬に感じました。それくらい映画の世界に飲み込まれます。

で、これだけぶっ飛んだ怪作が、実話を基にして創られてるっていうんだから、ぶったまげる。観ている間は背筋がゾクゾクして、何か迫ってくるものがありました。

「事実は小説よりも奇なり」とはまさにこのこと。世も末だ。もちろん、少しオーバーに演出されている部分があるにしても、だ。はじめて観たときは、1000本に1本あるかないかの強烈な衝撃を受けました。

んで、作品を通じて、宗教やコミュニティによる「洗脳」の怖さを痛感。それにハマっている本人たちは、残念ながら「洗脳されていること」に気づかないのが何よりも怖い。そして妙にリアル。

このあたりの観る者の精神をかき乱すような描写が、園子温監督は本当に上手い。(めちゃくちゃ好き嫌いに別れるだろうけど)

またヒロインのヨーコ役を満島ひかりが熱演。大量にパンチラがあって、お色気シーンやサービスショットも満載。これは間違いなく監督の趣味でしょう。良し悪しはおいといて。

なんというかこの映画は、園子温監督の満島ひかりに対する“愛がむきだし”になってて、そういう意味でも思う存分楽しめる作品になっています。園監督ありがとうございます。

まあ何はともあれ、引くほど長尺の上映時間でもこれだけ観る者を楽しませ、夢中にさせてしまうんだから、観る価値は大いにあります。

もしTSUATAYAなどでレンタルする場合は、DVDが「上」と「下」に別れてるので2本同時に借りるのを忘れずに。

第6位 太陽を盗んだ男(1979年)

ほとばしる疾走感。溢れまくる映画への情熱。まったくもって目が離せないストーリー展開。

どれをとってもすんげえ作品です。もう最高。狂いまくってます。こんな映画、他に観たことありません。

中学校の物理の先生(沢田研二)が、原子力発電所からプルトニウムを盗んで、原爆を作り出してしまう物語。んで、警察や政府を翻弄していく姿が描かれています。

怒涛のようなテンポの早さがもはや気持ちいい。これぞまさに超一級品の娯楽映画。エンターテイメントの全てがここにあります。

ネタバレしてしまうから細かくは書かないけど、とにかくスケールがデカい。次から次に起こるスリリングな事件や、ストーリーのアイデア・発想が実に素晴らしい。もはや邦画の範疇を超えています。

で、皇居や国会議事堂のシーンでは、ゲリラ的に撮影を行ったっていうんだから色んな意味でスゴい。監督のやりたい放題。撮影陣も完全に狂ってたようで。(褒めてる)

原爆をテーマにしたり、勝手に皇居で大規模な撮影を行ったりと、かなりぶっ飛んでます。今の時代にこんな作品を創ることは、もはや不可能でしょう。

そんで、沢田研二の醸し出す独特のオーラが、カッチョ良すぎる。あんなん惚れるわ。男気も全開。もちろん、刑事役の菅原文太も負けてない。渋すぎる演技が光ってます。

この2大スターが共演したからこそ生まれた奇跡的な作品。37年前の作品ですが、古臭さなんてちっとも気にならないほど夢中になりました。

あっと言う間の2時間半。放送コードギリギリの設定や展開は、日本映画の常識をぶち破ったと言っても過言ではありません。

やっべーです。マジで。死ぬほど面白い。この映画は、絶対に後悔させない、自信を持ってオススメできる最強の一本です。

第7位 切腹(1962年)

これはね、参った。完全に参った。武士の封建社会が生んだ悲劇の超傑作。人間の本質を捉えた映画は、どれだけ時が流れても共感を呼ぶ。それをことごとく証明し続けているのが、小林正樹監督の『切腹』です。

良く練られたストーリーは、単純明快な時代劇とは一味も二味も違います。

例えば、話の展開が現在から過去、過去から現在へと入れ替わり、謎が謎を呼んで最後には一つに繋がっていく見事な脚本。現在ではよくある手法ですが、当時としては極めて斬新なアイデアです。

それもそのはず、この作品の脚本を考えたのは、日本映画史上もっとも天才だといわれる脚本家「橋本忍」によるものなのです。

さらに、こだわり抜かれた「カメラワーク」もスゴい。主人公の津雲半四郎を演じる仲代達矢の虚無と狂気を放つオーラは、それだけでもホラー映画並みの恐怖感。

また、ここぞという場面で流れる「武満徹」の琵琶の音色も効果的に鳴り響きます。観ている者は、琵琶の音で次に起こる展開に期待がかかり、それは決して裏切られることはありません。

んで、注目するべきはこの映画の名場面と言える、仲代達矢と丹波哲郎の殺陣シーン。この場面は、本当に“真剣”で撮影されたという小林監督の徹底したこだわりっぷり。

そのため、エンタメ重視の時代劇と比べると少し迫力にかけるものがあるものの、これは監督がリアルを追求したゆえの演出。

今から50年以上前の映画ですが、現在にも通じる格差社会やワーキングプア、非正規雇用の問題など、人間社会の本質を見事にぶった斬っています。

んで、歴史に残る超大作を創ってやろうとする野心みたいなもんが、細胞レベルにまでビンビンに伝わってきます。

これはマジで凄い。映画を観ながら色々と考えて、結末に対しても深く読み解くのが好きな人であればあるほど、確実に満足できる作品です。

日本映画の底力を魅せつけられました。めくるめく怒涛の133分。すべてにおいて完成度が高く、これほどまでに最初から最後まで贅沢な時間を堪能できる作品もほかにありません。

第8位 キッズ・リターン(1996年)

“世界のキタノ”監督の、生死をさまよったバイク事故からの記念すべき復帰作。

無気力に生きる2人の高校生が、ボクシングと極道にそれぞれの道を突き進んでいく青春ものです。若者の美しさとか、怖さ、むなしさとか、この作品から溢れてくる感覚がとにかく凄まじい。

もがき、あがき苦しむ若者たちの無限の可能性を見事に表現してるし、それを映画の枠組みの中でもうまく伝えてしまうから、たけしという人間は他の映画監督とは生きている次元が違います。

「たけしの映画といえばヤクザ映画」ってイメージが定着していますが、この『キッズ・リターン』は、れっきとしたボクシング映画。

たけし自身も学生時代にボクシングを習っていた過去があって、その経験が随所に活きています。ボクシング映画の構想も、若手芸人の頃から練っていたんだとか。

で、この作品は、以前にたけしが監督した『その男、凶暴につき』『3-4X10月』『ソナチネ』と比べると、あまりにも方向性が異なります。

今までの作品では、たくさんの人間をポンポンと殺すのが当たり前で、過激な描写が多いものばかりでした。ところが、『キッズ・リターン』での命の描き方はそうではありません。

暴力や血生臭い展開を盛り込んでいる一方で、命を決して粗末にしていません。命はやっぱり大事。バイク事故で生死をさまよった、たけしの「死」への表現方法が激変していて、非常に興味深い。そういう点にも注目してみると、この作品をもっと楽しめるはず。

そんで、有名なラストシーンのセリフは、人間のたくましさや力強さなんかを感じさせてくれます。このシーンに、一体どれほど多くの人が勇気づけられただろうか。

たけしは本当に良い映画を撮る。『キッズ・リターン』で改めてそれを痛感させられました。今まで何回観たことか。

この作品は、今までもそうだけど、これからも一生付き合っていく名作だと思う。こういう作品に出会えることこそ、映画ファンの幸せというもんでしょう。

第9位 椿三十郎(1962年)

黒澤明監督と三船敏郎の“ゴールデンコンビ”と言えば、『七人の侍』がもっとも有名ですが「用心棒シリーズ」も外せない。

で、シリーズ一作目の『用心棒』も素晴らしき傑作ですが、ボクは二作目である『椿三十郎』の方が好き。だってこっちの方が、バツグンに脚本が面白いから。

この作品は、上役の悪事をあばくために集まった9人の侍と、剣の腕は一流だけど口の悪い浪人が繰り広げる時代劇の傑作中の傑作。

組織には属さず気の向くまま、風の向くままにさすらう浪人「椿三十郎」役に三船敏郎。髪はボサボサで、薄汚れた風体、酒好きで態度も悪い。でも頭は切れ、剣の腕もたつ三十郎は、弱い者を助け悪を退治していきます。ここが超気持ちいい。

本作は、社会問題や人の心に潜む闇を鋭く描いた『羅生門』や『生きる』など、黒澤監督が手掛けてきた作品とは一味違います。

エンターテイメント色がかなり強く、随所に笑いが散りばめられてて、めちゃくちゃ観やすい。

これは戦後、日本が高度成長期の中で娯楽性のある映画が求められた時代をうまくとらえています。さすが黒澤明監督。もちろん現代でも楽しめます。

んで、娯楽作品でありながらも、黒澤監督ならではの“感性”が随所に感じれてシビレました。たとえば、敵を倒し助けた奥方の口から出た名言「本当にいい刀はサヤに入ってる」とか、なんとも粋。

“痛快”という言葉は、まさにこの映画のためにあるようなもの。(詳細は是非とも本編を観てほしい)

敵を殺すことに虚しさを感じながらも、生きるためには剣を抜かなければならない……。侍の葛藤と矛盾も描かれてて色々と考えさせられます。

時代劇ですが、堅苦しくなく映画初心者でも楽しめること間違いなし。日本語字幕も設定できるので、白黒の古い映画を敬遠してしまっている方にこそ、全力でおすすめしたい作品です。

(前作『用心棒』と直接的なストーリーの繋がりはありませんが、ちょっとしたパロディなんかもあるので、できれば『用心棒』鑑賞後に観て欲しい。)

第10位 桐島、部活やめるってよ(2013年)

最近の映画は、セリフやテロップなんかで説明過多なものが多い中、この作品はほとんど語りません。そういうのをすべて、登場人物の目線や表情、カットの撮り方、編集などで描写していきます。だからこそ観る者は、常に脳をフル回転させて推理しないといけません。

例えば、Aくんは、Bちゃんが好き。でも、BちゃんはCくんのことが好き。ところがそれはただの勘違いで実際、AくんはDちゃんのことが好きだった。みたいな。そういうのを全部、登場人物の目線の行方だけでやってのけます。

この多重構造が少し難解でもあるんですが、それぞれのキャラクターの視点によって解釈が全然変わってくるもんだから、これまた超面白い。特に前田と◯◯ちゃんの関係なんかがそう。観てるコチラ側からするとだいぶイタいしキツい。でも、そんなイタい勘違いを学生時代の自分もよくやってたなーつって、妙に共感してしまいました。

まあ、そんな人間関係を表現する過程には、感心するほどたくさんの演出アイデアや見せ場が散りばめられていて、観る者をまったく飽きさせません。

細かい見せ方の工夫が『桐島、部活やめるってよ』の最も素晴らしい点です。それぞれの人間関係を推理していくうちに、グイグイと映画の世界に吸い込まれていきます。これほど考えぬかれた映画もそうそうありません。

そんで、クラスでは、ダメダメな前田と武ちゃんコンビが、好きなものには没頭して我道を行く姿は最高にカッチョイイ。誰にバカにされて、アホ呼ばわりされても。それが例え、好意を抱いている異性であっても。

ただただ自分らしさを貫き通す信念は、男気みたいなものがあって、すんげえ好き。たぶんこの映画が好きな人は、そこにも惹かれるはず。

ラストの展開も観た人の解釈次第で、全然違う結末になるところも良い。スクールカーストを必要以上にリアルに描いているのは、ちょっと残酷でエゲつない。でもそういうところも含めて、いくらでも深読みできる奥深さもあって、めちゃくちゃハマった。

第11位 砂の器(1974年)

松本清張の同名小説を、野村芳太郎監督、橋本忍と山田洋次コンビの脚本で、1970年代を代表する社会派ミステリーの超傑作です。後半は犯人探しよりもヒューマンドラマ色がかなり強くなっています。

この映画が、今なお名作と言われるのには、3つの揺るぎないポイントがあるからです。

まず1つめは、ベテラン刑事・今西栄太郎に扮する丹波哲郎の存在。

その場をかっさらう人を丸飲みするような演技の丹波哲郎が全編出っぱなし。んで、余裕があるのか切羽詰まっているのかわからない、丹波演じる今西刑事に引き込まれます。

で、2つめは「差別」という重いテーマをドラマの中核に据えながら、娯楽作品として見事に描ききっている点。

後半のクライマックス、差別によって世間から受ける父と子の過酷すぎる巡礼。そしてその過去を隠しつつ、這い上がった男(加藤剛)の人生の絶頂。事件を推理する今西刑事の謎解き。

という多重構造が、本作のテーマ曲『宿命』をバックに展開していきます。もはや人間離れした重厚な構成で、ドキドキするほどスリリングです。

そして3つめは、本作の鍵となる「宿命」を背負った父親役の加藤嘉の鬼気迫る演技。日本の邦画でこれほどまでに強烈に感動した作品を他に観たことない。

それくらい猛烈に突き刺さるものがあります。感動必至。もはや徳光和夫でも本心で泣くレベル。音楽監督:芥川也寸志・菅野光亮の手になるテーマ曲『宿命』とともに、観た人に忘れられないインパクトを残します。必見。

第12位 CURE/キュア(1997年)

この映画、ガチで怖いです。怖すぎてオシッコ漏らしそうになりました。いやマジで。

ボクの中では日本の映画史上、最恐のサイコ・サスペンス。黒沢清監督による、神経をかき乱す殺人事件の描写、胸が張り裂けるような恐怖のラストに激震が走りました。

観終わったあとの余韻がヤバいです。クレアおばさんでもシチューぶちまけるレベル。

とにかく映像から伝わってくるピリピリとした緊張感が異常。で、ノイズ音を駆使した恐ろしい演出も実に見事。

また重要なシーンをワンカットのみで撮影してるのもすげえ。さらにノンストップで展開されるテンポの速さも良い。

サスペンスにありがちな演出やストーリーにも穴がありません。もはや完璧。全体的にあまり語りすぎないところも良い。

そして何よりも、ラストシーンの破壊力が強烈。計り知れないほど強烈です。はっきり言ってドン引き。この作品の評価は、ラストの解釈次第で、全く異なるものになると思います。

何気ないファミレスのシーンかと思いきや、ラスト3秒につめ込まれたエンディングの恐怖感たるや。見逃す人がたまにいるので、ここは是非とも全神経を注いで注目して欲しい。

第13位 七人の侍(1954年)

世界の映画史にその名を刻み込んだ永遠のマスターピース。莫大な時間と前代未聞の費用が投入されて創られた黒澤明監督の時代劇超大作。

この作品がなぜこれだけ評価されているかと言うと、理由はたくさんあると思うけど、エンターテイメントやアクションの映像表現に多大なる革命を起こしたから。

コレに尽きると思う。話のテンポ、キャラクター、カメラワークの使い方、殺陣シーンの緊張感や迫力、たまに笑わせてくるネタとか、全部がとにかく上手い。ハラハラする展開の連続で、最近の映画なんかよりもよっぽど夢中になります。

で、なんと言っても侍たちの個性溢れるキャラクターが良い。特に宮口精二が演じる久蔵のカッチョ良さは異常。小柄で細身だけどめっぽう強い。しかも超クール。

んで、手柄を自慢したりしない。これぞ侍。まさに男の中の男。菊千代も良いけど、やっぱり久蔵こそ至高。はじめて観たときは最高にシビレました。

そんで、ジョージ・ルーカス監督が大きな感銘を受け、『スター・ウォーズシリーズ』に多大なる影響を与えたのはあまりにも有名でしょう。

ライトセーバーでの戦闘シーンや画面が切り替わる演出、ヨーダのモデルとなった侍の1人「島田勘兵衛」がいたり、ダース・ベイダーのデザインのもとになった「侍の鎧」も登場したりと、随所に『七人の侍』のエッセンスが『スター・ウォーズ』に受け継がれています。

『スター・ウォーズ』が好きであればあるほど、細かい部分まで楽しめること間違いなし。(スター・ウォーズは七人の侍だけではなく他の黒澤映画の影響もあります)

それほど、この映画が後世に及ぼした影響は無限大です。もはや計測不可能。偉大過ぎる。

今現在、ボクたちが観ている「映画」というものがあるのも、この『七人の侍』があったからこそ。そういう角度から本作を観てみると、より一層楽しめるはず。これを抜きに日本映画を語るなんてできません。

第14位 この世界の片隅に(2016年)

一言で説明すると、戦時中の広島で繰り広げられる「日常」を描いたヒューマン・ドラマ。

とにかく、予想外のコミカルさ。ココが良い。地獄のような戦時中でも、空には青空が広がり、人々は笑い、前向きに生きている。人間味が溢れ、人々の温かさが詰め込まれています。で、それを「すずさん」という女性の目線から“普通”に描いていることが、これまた斬新。

そんで、映画という枠組みの中で、戦時中の暮らしや生活を“疑似体験”させてくれるのが何よりも偉大。かつ素晴らしい。ただの戦争映画ではなく、当時の人々の生活を緻密に再現されているところもポイント。へぇ連発の細かな作り込み。そして、こだわり。

片渕須直監督が原作のマンガに惚れ込み、「どうしても映画化したかった」と語るだけあって、この一本にかける意気込みは本物です。

そして、ただただ普通の日常を送っている人々に、突然原爆が落とされるというこの上ない悲しみ。でも、そんな人類史上最悪の日にも、笑えることは起こる。

これは作品自体が、その「悲劇」に屈していない最大の証。んで、そんな「人類史上最悪の瞬間」が、すずの人生において最も感動的な「他者と心が通じ合った瞬間」になってるのも、もう凄い。

とにかく、映画最大の美点は、監督の、戦争に対する激しい怒りが込められているのに、悲観的にもなることなく、コミカルに描いていること。

良かったところを語りだすと、本当にキリがない。どこからどう切り取っても、ほぼ完璧の出来栄えです。邦画が豊作だった2016年の大トリにふさわしい歴史的超傑作。

第15位 それでもボクはやってない(2006年)

痴漢冤罪で捕らえれた男性(加瀬亮)を主人公に、現代における冤罪裁判の欠陥部分を浮き彫りにした超話題作。裁判に対する周防監督のアツい魂がこめられています。

「裁判所は真実を見つける場所ではない。集められた証拠の中から、有罪か無罪かをとりあえず決める場所だ」と、はじめて観た時は、ボクが思っていた裁判所とかなりズレがあって、めちゃくちゃ大きなショックを受けました。

ただただ面白いだけでなく、社会勉強にもなるので、観る価値は大いにあります。かなりオススメ。

とにかくストーリーの展開が絶妙です。次々に話が進んでいくため、続きが気になって気になって仕方ないパターンのやつです。ラストの判決がくだされるそのときまで、ちっとも退屈な瞬間がありません。

で、この映画は、被告人、被害者、弁護人、警察、検察、関係者の家族など、様々な視点から物語が描かれていきます。

判決がくだされるまでには、それぞれの立場の人が悩み、苦しんでいることを激しく痛感。みんな同じ人間なんです。それを気づかせてくれた点も、今までの裁判映画を大きく凌駕している点でしょう。

本当に最後の1秒までトコトン無駄なく創られています。徹底的に試行錯誤を繰り返したであろう脚本には、頭が上がりません。

面白くて良い物を創ろうとする情熱が、ガリガリと伝わってきました。このあたりは、さすが周防正行監督という感じ。もはや100点満点と言ってもいいくらい。紛れも無い傑作です。

とにかく、似たような裁判映画が超えられなかった壁をぶち破り、きわめて深刻な裁判の「可笑しさ」を描いていることが何よりも偉大。彼の類まれな才能と努力が爆発したからこそ生まれた一本。最高です。

第16位 しとやかな獣(1962年)

川島雄三監督のブラックユーモアがたっぷりと炸裂した、色んな意味で“しとやか”な作品。上映時間の97分間まるっとするっと全部が、団地の1室のみで繰り広げられます。にも関わらず全然飽きない。これはマジでスゴい。まるで舞台を、いや狂言を観ているかのような楽しさが味わえるはず。

ストーリーは、人間の欲深い醜悪な部分を、とあるトンデモ家族を通して痛快に描かれています。次から次にどうなるか分かんない予想外な脚本。そして謎が謎を呼ぶ展開に終止釘付けでした。

んで、若尾文子の悪女っぷり、伊藤雄之助と山岡久乃のなんとも言えない間抜けな悪党っぷりは、それぞれ実に見事。これはもはや人間国宝級。今やソフトバンクのCMで有名な若尾文子に、こんな怪作があったなんて……。完全に“予想外”でした。

で、全くもってシーンが変わらないのにも関わらず、1秒たりとも退屈させないカメラワークの上手さは必見。

たとえば、普通ではあり得ないような角度──ベランダの外や、天井からのフカン、はたまた床の真下からなど、ありとあらゆる角度から団地の1室が映し出されています。

この辺りの観る者を惹き付けるアイデアとか演出は、やはり川島監督ならでは。カットの使い方とか編集の仕方とか“映画”の魅力を最大限にまで引き出しています。最高にニヤける。

と、まあとにかくゲラゲラ笑けるけれども、どこか不気味で背筋がゾクゾクするという、ほかの映画では決して味わえない不思議を体験があなたを待っています。

実にシュール。超シュール。破滅的な面白さですが、めちゃくちゃ好き嫌いに別れる作品なので、ご注意を。たまらん。

第17位 冷たい熱帯魚(2010年)

全くもって手加減なし。観る者の精神をズッタズタに切り裂きます。まさにエログロの真骨頂。狂気に満ちあふれた映画です。

静岡の田舎で、熱帯魚店を経営している冴えない男性(吹越満)が、事件に巻き込まれて狂っていく物語。

最高にいかれまくったストーリーは、実話を基に創られてるっていうんだから、何もかもが狂ってます。ちなみに実話では「熱帯魚」ではなく「犬」の話だったんだとか。

内容は怖くて……グロくて、そして残酷。いや、そんなもんじゃない。そんな生半可な言葉じゃ表現できないほどぶっ飛んでます。園子温監督の本領発揮というべきかキモチ悪さがスゴい。

吐き気がするほどムゴイです。そして、今までの邦画が、いかに表現として生ぬるいものだったかを証明する結果となってしまっています。

とにかく、でんでんの恐ろしさが異常。というか、はじめて観たときはドン引き。後頭部をレンガでぶっ叩かれたような衝撃を受けました。

超超超超閲覧注意。もはやサスペンスの概念をぶち抜いて、サイコホラーの域。日本映画が禁忌に触れてしまった決定的瞬間です。これから観る場合は、かなり覚悟して挑んでほしい。

この映画のラストには一体、何があなたを待ち受けているのか……?? 主人公は幸せな暮らしを手に入れることはできるのか?? この映画でしか体験できない目が醒めるようなトラウマ級の衝撃を、ぜひあなたも味わって頂きたい。

第18位 シン・ゴジラ(2016年)

ただの怪獣映画だと思って観ると痛い目をみます。もうすげえよ。マジで。実は超社会派。そして文句なしでぶっちぎりの面白さ。

東日本大震災からの福島原発事故(3.11)という課題をうまく取り込んで、それをエンターテイメントのレベルにまで叩き上げた点にすこぶる感動。

で、とにかくテンポが良い。そして、とてつもない情報量。んで、並々ならぬ緊張感の中にところどころユーモアをぶち込んでくる圧倒的センスにガチ惚れ。

アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の原作者として有名な庵野英明監督と、特撮映画界の神・樋口真嗣監督がタッグを組んだ奇跡のコラボレーション。最高かよ。

映画のテーマは、「実際に正体不明の超巨大生物が東京に出現したら、日本政府はどう対応するか??自衛隊は??諸外国、特にアメリカの対応は??」っていうのがメインな感じ。

んで、それぞれの描写がぐうリアル。これでもかってくらい徹底的にリアルに描かれています。特に序盤の会議シーンは、第3位で紹介した岡本喜八監督の「日本のいちばん長い日(1967年)」を彷彿させるほどの作りこまれっぷりで、もはや脳ミソから鳥肌が立ちました。

んで、ゴジラの絶対的恐怖感。ここもまた良い。ズドッッッッぎゃあああああああああああああああああああん!!

つって、よく知ってる東京が“ガッズィーラ”に破壊されていくシーンは、期待をはるかに越える出来栄え。もはや特撮映画の真骨頂に達しています。(厳密にはCGだけど)

さらに細かい部分も無駄に作りこまれてて、注目するべき点が恐ろしくあります。例えば「怪獣が出現した際に1局だけアニメを放送し続けるテレ東」「シン・ゴジラのほえ方が歴代ゴジラの声」「エンドロールの取材協力に小池百合子と枝野幸男がいたこと」「緊急用Wifiが00000JAPAN」「 中 略 」の演出などなど。挙げるとキリがなくて、到底1回ではすべて観きれません。

そんな圧倒的情報量の中にも「原子力発電」や「原爆」「安全保障」に対するメッセージ性が強烈、かつ明確に描かれてるから、ホントにすげえ。これは“今”の時代だからこそ、何回も映画館に足を運んででも、観倒す価値が十二分にあります。

日本映画も捨てたもんじゃない。これはマジで10年に1本あるかないかの超傑作なので、映画館の特大スクリーンと爆音(できれば立川の極上爆音上映)で是非とも堪能して欲しい。

作品内のゴジラ同様に、邦画の常識をもこっぱ微塵にぶっ壊しまくった一本。最高です。

第19位 ソナチネ(1993年)

北野武監督の中でも最高レベルの作品。沖縄を舞台に繰り広げられるヤクザもの。ゲキシブなおっさんに憧れます。

バイオレンス映画でありながらも、全体的に沖縄の情緒が漂ってて美しい。そのせいか、他の任侠もの映画とは格が違います。

表面的なストーリーやリアルじゃないアクションだけを追ってしまうと、不完全燃焼で終わってしまいそう。この作品の注目するべきところは、そんなところじゃない。

もっと深い部分の、たけしが表現する「生と死」の描写を堪能するべき作品です。

その中でも「あの世」と「この世」の間を表現したビーチのシーンが斬新。たけしの「生と死」の感覚が見事に映像化されてて、背筋がゾクッと震え上がりました。ああいう描写を無意識というか肌感覚だけでやっちゃうあたりが「天才」と呼ばれる理由なのでしょう。

で、いつ誰が死ぬか分からない独特の緊張感も異常。たけしや他のヤクザたちが、無心になって銃を連射するシーンが不気味すぎる。

特にたけしが自分に銃を突き付けて気色悪く笑うあの笑顏は、一生忘れられないくらいヤバイ。一瞬で脳裏に焼き付けられるほどのインパクトがありました。

ラストに関しても、およそあらゆるある選択肢の中でも最高のものを選んだとしか思えない演出センス。これにはマジで脱帽でした。なんというか初めて観たときは、本物の映画にやっとめぐり逢えた気がした。これは天才北野武監督であったからこそ生みだせた奇跡の一本。

第20位 DEAD LEAVES/デッドリーブス(2004年)

何もかもがぶっ飛んでるカートゥーン・アニメ映画。ド派手でサイバーパンクな世界観に、思わず脳みそから痺れてしまった傑作。

で、とてつもなく個性的で奇抜なキャラクターたちも目白押し。はじめて観たときは「こういうのを探してたんだよ!!」と思わず唸ってしまったほど。

ストーリーは、記憶をなくした男女が犯罪を犯し、逮捕されて月面刑務所に送られるところから始まります。んで、その刑務所から記憶を取り戻しながら、脱獄していく物語。

囚人たちを乱暴に働かせる序盤のシーンは、ブラック企業(または低賃金で働かさせるアニメ業界)に対して問題提起をしているようにも読み取れるし、なかなか奥が深い。

で、エロとグロとバイオレンスが炸裂する中に、戦闘シーンの見せ場をキチンと抑え、トゥーンな世界観にヒーローアクションモノの王道の「カッコよさ」を創造してしまうこのセンスに惚れる。

こういう攻めまくった作品があったからこそ、日本のアニメ映画は世界をリードして来たし、革新を起こしてきたんだと思う。日本国内でももっと評価されて欲しい作品。

終止ハイテンションの52分間。暴れまくり!!撃ちまくり!!弾けまくり!!なので、全くもって休む暇なんてありません。まさにジェットコースタームービー!!

この疾走感が最高に心地いいし、超楽しい。52分でキレイにまとめられてるので、サクッと映画を観たいときに激しく激しくオススメ。

第21位 百円の恋(2014年)

文句なしの超傑作。いわゆるスポ根もの(ボクシング映画)ですが、全くもって青春クサくない。そこが良い。

主人公は彼氏もいない、32歳の女ニート(安藤サクラ)。そんな彼女がボクシングと出会い、人生を変えていきます。安藤サクラの「ダメ女っぷり」が素晴らしすぎて思わず唸った。彼女の演技に飲み込まれる。

日常生活の細かいあるあるネタが見事にまで再現されてて、クソ笑える。とくに、登場キャラたちのDQNっぷりが最低すぎて最高。例えば「今さらmixiがどうとか言ってる空気の読めないオジサン」や、「マジすかしか言わない若者」とか。

ピンポイントで笑いのツボを付いてくるのが、もはや絶妙。ジワジワくる笑いです。よく「神は細部に宿る」と言われますが、この映画はまさにそれ。しかも、ストーリーがとにかく面白いんだから、もはや無敵。

んで、編集センスがキレッキレすぎる。特に「映画タイトル」の入るタイミングが、あまりにも気持ちよすぎて逝った。最高。アレだけですでに300点。

そして、一番の見どころは何と言っても終盤のシーン。ストーリーは、輪をかけたように面白くなっていくので、そこで全ての感情をぶち撒けて失神するレベル。(ごめん、それはさすがに言い過ぎた)

とにかく、いくら文章で説明したところで、この作品の魅力のカケラほども伝えきれません。ただただ観て欲しい。一度でもこの作品に触れてみてさえすれば、ボクシングの知識や情報などなくても、心打たれること間違いなし。

第22位 ツィゴイネルワイゼン(1980年)

鬼才・鈴木清順監督が生んだ世にも奇妙な物語。ホラー・サスペンスの中でもとりわけ異彩を放っています。とにかくラストでやられました。さり気ない伏線が見事に効いてて、バッチバチにぶっ飛ばされました。

なにはともかく、めちゃくちゃクセが強い。脚本もそうだし、登場人物たちも。特に原田芳雄と藤田甚八のキャラクターが濃すぎる。もちろんいい意味で。個性を撒き散らしまくってて、強烈に記憶に焼き付けられました。

そんで、人間の「生と死」というテーマを「色」と「音」で官能的に表現してて、めちゃくちゃ不気味。

五感に直接語りかけてくる幻想的な世界観は、きっとこの映画でしか味わえません。思い出すだけでも、ああ怖い。36年前の作品ですが、今なお面白いと感じるのは、脚本の完成度がとんでもなく高すぎるため。

こういうサスペンスものは、途中でオチが読めたりしますが『ツィゴイネルワイゼン』に関しては心配ご無用。伏線があまりにも巧妙に仕込まれているため、途中で見破るのなんてほぼ不可能です。

観終わったあとには、必ずと言っていいほど、もう1度観たくなる不思議な魔力が宿っています。クライマックスの怒涛の展開には、きっとあなたの興奮も最高潮に盛り上がるはず。今なお熱狂的なファンが数多くいるのも十分に理解できる、たぐいまれな傑作です。

第23位 ジョゼと虎と魚たち(2003年)

甘くて切ない青春ラブ・ストーリー。作品全体の「質感」とか「色合い」がステキ。めちゃくちゃ好き。これは一度観たことある人だったらきっと分かるはず。舞台が大阪ってことでなんとなく親近感も湧きました。

主人公である大学生のツネオ(妻夫木聡)と、足が動かない身体障害者のジョゼ(池脇千鶴)の恋物語。

全く違う性格の2人が、ちょっとずつ距離を縮めていき、一体最後はどうなるのか……?? 冒頭の映像は一体何?? 2人に一体何があったの??って感じの作品。

ジョゼのちょっと不器用で、なかなか素直になれない感じが歯がゆいけど、もの凄く良い。んで、そんな彼女がちょっとずつ心を開いていくところが見どころ。

恋愛模様をみずみずしく描いているけど、ちっともクサくない。心が洗われるような、こういう恋愛を一度でいいからしてみたい。

また身体障害者の方が、乗り越えないといけない社会的ストレスや問題、心の葛藤なども見事に描かれています。恋愛映画でありながらも、色々と考えさせられるところが他の映画と比べると格段に違うし、心に染みます。涙腺がぶちのめされました。

第24位 野火(2015年)

あまりにも傑作すぎて、初めて観たときは正直ビックリした。これはキツい。キツすぎます。想像を絶するほど救いのない映画でした。

物語の舞台は、第二次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。敗走しながら飢餓と恐怖の極限状態に置かれた日本兵たちを描いた話題作です。

戦争映画でありながらも、もはやホラー映画と言っても過言じゃないレベルで怖い。ぶちゃけ、こんなにも「怖い」戦争映画を、この作品のほかに観たことがありません。

で、塚本晋也監督が20年もの間、構想していたというだけあってとにかくリアル。死体のグチョグチョさとか戦場での食糧問題に関しては、震え上がるしかなかった。

もはや園子温監督の『冷たい熱帯魚』以来の衝撃でした。第二次世界大戦の最前線では、半分以上もの兵隊が飢餓や病気で亡くなったらしく、そのあたりも見事に再現されています。

「戦争は地獄だ。人間が人間でなくなる。」という、この映画からの痛烈なメッセージは、もはや異常なレベル。平和ボケしまくっている日本の若者に向けた警告のようで、観る者の感情に揺さぶりかけてきます。

このメッセージ性の強さは、戦争映画の金字塔とも言われている洋画『プライベート・ライアン』と比較しても全く劣ってない。

とにかく、戦場の現実をあくまで映画という枠組みの中で、リアリティをもって擬似体験させてくれます。この点に成功してるだけでも紛れもない傑作。戦争に対する考え方とか見方が改めて激変すると思うので、死ぬまでに1回でいいから観て欲しい。

第25位 ゆきゆきて、神軍(1987年)

この映画の魅力は何と言っても、主役の「奥崎謙三」がいい意味でも悪い意味でもぶっ飛んでるから。

ぶっちゃけ監督がこのキャラクターを見つけてきただけで、もう「勝った」も同然。それくらいこの「奥崎」というおっさんには、人を魅了してしまう不思議な力があります。

映画の前半は、頭のイカれたおっさんの単なるドキュメンタリー映画かと思うけど、全く違う。これはれっきとした反戦映画。しかも超濃密な。

主人公の奥崎は、殺人未遂にはじまり、皇居で天皇めがけてパチンコ玉を打ち、デパートの屋上から天皇ポルノビラをバラ巻き、13年もの刑務所暮らしを経たクルクルパーな変人──なのかと思いきや、戦争中の“とある理不尽な事件”を解決するために命をかける。アツい。

しかも、ただただアツい人ではとどまらず、戦場の記憶を思い出して泣き崩れるシーンや、カメラを意識してカッコつけちゃう人間臭い一面もあって、そのギャップにやられます。

なんというか松岡修造みたいな可愛さがあります。んで、その愛嬌のせいで思わず感情移入してしまい、映画の世界に一気に飲み込まれる。

で、作中の奥崎が暴力をふるうシーンや警察に取り押さえられる場面は、作り物ではなく紛れもない本物。だからめちゃくちゃリアル。

そのため、そんじょそこらのドキュメンタリー映画とは格が違います。そして、他の戦争映画でもあまり語られることのなかった“白ブタ”や“黒ブタ”という、ゆがめられた戦場の真実を見事に暴いている点が、何よりも偉大。かつ衝撃的。

ただただ国や法律に従わず、自分で本当に正しいと思うことを考えて行動しろ!世の中に流されるな!っていう奥崎オッサンから放たれるメッセージ性も強烈。

途中、興奮しすぎて何を言ってるか分からない場面もあるし、このオッサンのやってることが正しいかどうかはさておき。この凄まじいパワーには嫉妬さえ覚えました。

第26位 告白(2010年)

子どもを殺された母親による狂気的な復讐劇。母親が持つ復讐心や怒りを、めちゃくちゃ鋭く描かれててかなりエグい。

人が持つ心の闇の部分や邪悪さが、気持ち悪いくらい見事に映像化されていて、内容はかなり尖っています。このあたりの中島哲也監督の演出センスというか、キレッキレのイマジネーションに一目惚れでした。

で、とにかく主演の松たか子の演技力が凄まじい。情念むきだしでその身を削るようなサイコパス全開のキャラクターを演じ、観るものを問答無用で黙らせます。子どもが殺され、発狂の声を挙げるシーンは実に恐ろしく、トリハダもの。

んで、この作品独特のダークな世界感がたまらなく好き。スローモーションを多用し、全体的に黒みがかった漆黒の雰囲気も斬新。

さらに、そこへレディオヘッドの音楽が流れてきて、暗い作風と見事にマッチ。観るものを恐怖と絶望のどん底にトコトン突き落とします。

中島監督はそれら全てをうまい具合に融合させて、至高の一本をこの世に誕生させてしまいました。間違いなく彼の作品の中でも最高傑作。『下妻物語』と『嫌われ松子の一生』もかなりの傑作ですが、それらをも遥かに凌駕しています。

それにしても見事な作品でした。これは絶対に観て頂きたい。かなり斬新な演出方法を楽しめるので、年に数回しか映画を観ない、という方にこそオススメです。

第27位 君の名は。(2016年)

最高かよ。これ。超ど真ん中の青春エンターテイメント。映画館で座ってる107分間が、全全全部最高に楽しい。

新海誠監督の間違いなく最高傑作。異論は認めません。(強気)とにかくワイ氏、ぐう感動。

ネタバレしてもいい範囲で雑にあらすじを紹介すると「最先端の男女入れ替わり映画」。もうこれ。これだけで察してくれ(無理)

もうね、思わぬところに伏線が仕掛けられまくってるんですよ!!あそことか、あそことか、あそこに!!あー、言いたい。

んで、ただただ真面目な恋愛映画なのかと思ってたら、ところどころ“笑い”が散りばめられてて、なんともニクい。絶妙に笑わせてきます。しかもね、ラスト。ラストが良い。

爽快感と多幸感MAXで、鑑賞した人すべてに幸せをもたらします。映画館で観終わったあとはあまりにも興奮しすぎて、1人で絶叫しそうになりました。もう死ぬかと思ったわ。(“1人で観たから”という意味もある)

そんで、主題歌・挿入歌としてRADWIMPSとコラボレーションするとか、もはや素ッ晴らしいというレベルをぶち抜いてただただ卑怯。映画の余韻に浸りたくて“秒速”で『前前前世』買ったわ。アホか。こんなん買うに決まってるやろwwwwwwwwwwwwwwwwww(謎の逆ギレ)

とにもかくにもこれは紛れもない超傑作。来来来世に生まれ変わっても繰り返し観たい映画の一つ。これが1800円で観れるとか明らかに安すぎる!

ただ映画館では、周りがカップルばっかりなので、男一人で観に行くと確実にお亡くなりになります。これは彼女と観に行けばよかった!あ、でもそう言えばワイ、彼女いなかったわwwwwwwwwwwww とりあえずリア充大大大爆発しろ(^◇^)

第28位 おくりびと(2008年)

クソ真面目でシリアスな雰囲気の映画かと思って観たら、全然違いました。ビックリするくらい予想を裏切ってくれました。もちろんめちゃくちゃいい意味で。

内容は文句なし。今まであまりスポットが当てられることがなかった「葬儀屋さん」を題材にしているところも素晴らしい。

海外からも高く評価され、日本アカデミー賞では、作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞・撮影賞・照明賞・録音賞・編集賞とありとあらゆる賞を総ナメに。もはや取りこぼした賞の方が少ないほど。

で、「人の死」というシリアスなことをテーマにしておきながらも、クスッと笑わせるネタをちょくちょく入れてくるところも、何ともまたニクい。

「緊張」と「緩和」のバランスがこの上なく絶妙です。一歩間違えると大事故になりかねないデリケートなテーマを、もれなく爆笑に変えてしまうこのバランス感覚がスゴい。

そんで、主演を務める木本雅弘が、長年温め続けていた企画なだけあって、この作品にかける意気込みは本物。役柄と見事にシンクロしてるし、魂に訴えかけてくるジリジリとした情熱を感じました。

これは観て良かった。いやマジで。まぎれもなく日本映画の傑作。まだ観てないのあれば絶対に観た方が良い。もしこれほどの作品を見逃しているのであれば、確実に悔いが残ることだけ伝えておきます。

第29位 PERFECT BLUE / パーフェクト ブルー(2001年)

実写映画では決して再現できない、アニメならではの描写が実に見事。アニメ映画っていうのは、やっぱりこうでなくっちゃならない。

実写映画で出来ないことを映像化するってことに大きな価値があります。で、この作品はそれをトコトン突き詰めた傑作です。

ストーリーは、アイドルから女優に転身した主人公ミマが、ストーカーや仕事からのプレッシャーで精神が崩壊していくサイコ・サスペンス。雑に一言で言ってしまうと、メンヘラアイドルの克服奮闘記。

女性アイドルが、成功するために乗り越えるべき社会的ストレスや重圧、内なる自分との葛藤が見事に描かれています。とにかく怖いし、けっこうグロいし、なかなかエロい。アニメだからって舐めてると痛い目をみます。なんていうか、だいぶ濃い。

今敏監督の演出能力は、世界中の映画監督の中でも並外れたレベルですが、そんな彼の作品の中でも最高傑作。というかボクの好み。映像が美しいのはもちろんのこと、時間と空間をうまく利用し、予想外な展開を生み出してしまう驚異的な演出には、目を見張るものがあります。

その難解さや破壊力の凄まじさなど、この作品の完成度は見事なもの。ハリウッドのダーレン・アロノフスキー監督に多大なる影響を与え、『ブラック・スワン』や『レクイエム・フォー・ドリーム』などの元ネタになったことでも有名です。

今敏監督は、他にも『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』『千年女優』など制作していますが、全部面白い。全くもってハズレなし。まだ観てないのであれば、今すぐ観よう!

第30位 HOUSE(1977年)

大林ワールドが300%炸裂した、不思議な世界観MAXのトラウマ映画。これが監督のデビュー作っていうんだからマジでビビる。

上映時間は90分程度しかないけど、非常に濃い。大林監督の作品の中でもブッチギリで濃い。例えるなら、濃縮還元ジュースを濃縮だけして、還元し忘れてしまったくらいに濃い。もう一回言うけど、めっちゃ濃い。そんな映画です。

あらすじは、夏休みに少女7人が、おばちゃまの家に遊びに行ったら、一人ずつ姿が消えていく……という怪奇物語。ぶっちゃけホラーが苦手な人には、全くオススメできないくらい“生理的に”怖いです。特に井戸のシーンがヤバイ。

で、登場する少女のキャラクターたちもとても良くて、特に主演のオシャレ(池上季実子)がクッソ可愛い。思わず見惚れてしまうくらいに可愛い。本当にこれが40年前の映画かどうか疑ってしまうくらいの可愛さです。

それほど美人なのに、終盤はおっぱいをボロンボロン出すし、血もドロドロ出るしで、目からウロコが、ケツからうんこがブリブリ出そうなくらい衝撃を受けた。なんというか振り切る所まで振り切ってて完全に圧倒されました。

んで、この映画はただただ怖いだけでなく、昔のカルト映画特有のふざけたノリも混じってて、そこがめっちゃ不気味。撮影セットも不自然なレベルでショボい。だからこそ余計に怖い。

でもそこがクセになって、今まで何回も観てしまった。現在でもカルト的人気を誇っているのも十分に理解できる怪作。まだ観たことがない人には、このサイケでナンセンスな大林ワールドを是非とも堪能して欲しい。

第31位 ラヂオの時間(1997年)

平成の喜劇王・三谷幸喜監督の真骨頂とも言える爆笑コメディの傑作。ラジオ局でのドタバタ劇がコミカルに描かれてて超楽しい。とにかく笑えます。死ぬほど笑えます。クッソ笑えます。

で、監督本人が実際に経験したことを映画にしたこともあって、めちゃくちゃリアル。テレビ局で数年働いていたことがあるボクからしても、「あー、あるあるーw」とか「うわー、こういう業界人いるわーwww」つって妙に納得。

特にスポンサーとのバッティングの件については、悶絶しそうになるくらい過去の記憶が鮮明に蘇ってきましたw

とにかく、ほぼラジオの収録スタジオのみで展開していくにも関わらず、このバツグンの面白さ。スピーディーなストーリー構成で、観る者をこれっぽっちも飽きさせません。

三谷幸喜監督は、こういうミニマムな舞台でほど本領を発揮。無駄な俳優、無駄なセリフ、無駄なシーンが何一つありません。すべてが最高。すべてが最高なんです。

この辺りの脚本のクオリティは、舞台人である三谷幸喜だからこそできる技であり、ギュンギュンにまで研ぎ澄まされた彼のセンスが光りまくっています。

またサービス精神旺盛なこの監督らしく、エンドロールまでもたっぷりと楽しませてくれます。彼の作品は今まで何本も観てきましたが、間違いなくコレが最高傑作。というかボクの好み。

まさに退屈知らずで、最初から最後まで心地よく翻弄してくれる面白さに満ちあふれています。カップルで観ても楽しめるし、親子で一緒に鑑賞する作品としてもオススメ。

第32位 勝手にふるえてろ(2017年)

超ハッピーなコメディ恋愛映画かと思いきや、全くそんなことない。社会風刺テンコ盛り。日本社会の闇を見事にぶった切ってて、心に刺さるものがあります。狂気のラブコメです。

ある意味「これは完全に自分だw」と、登場人物と自分がシンクロしてしまって、一気に飲み込まれた。そいつのイタイシーンは観ててホント辛かったw どのキャラに感情移入してしまったかは秘密www(念のため言っておくと女性キャラではないw)

んで、細かいディティールを再現した「現代のあるあるネタ」にも勝手に震えてた。都内で生きる若者のリアリティ感が半端ない。例えば、東京の人間同士の距離感。一人のときに感じる虚無感などなど。他人事とは思えないシーンがたっぷりです。そこにめちゃくちゃ共感してしまった。

そんで、とにもかくにも松岡茉優の破壊力を観よ!!!!!!この作品は、松岡茉優以外では成立しないほどのハマリ役です。ちょっとイタイキャラなのに全く鼻に付かない。ここがホント凄い。マジで凄い。

演技力はもちろん、眺めているだけで天に召されるレベルの圧倒的な可愛さです。もはや「結婚したい」という表現すら控えめに感じるほど。「松岡茉優最強説」がこの作品で証明されてしました。

また、脇を固める俳優陣のキャラ立ちも凄まじく、掛け合いが半端ない。特に同窓会を開いたお店のおばさんの「GOOD!」が狂おしいほど好き。あとは『タモリ倶楽部』の小ネタがホントにホントに最高。「ナゲットのやつ」は映画を観てて久しぶりに本気で笑ったwww

第33位 鮫肌男と桃尻女(1999年)

オープニングのカッチョ良さは言うまでもないですが、B級感あふれる独特のノリとスタイリッシュな映像にメロメロ。全体的にタランティーノっぽいところも良い。

お金を盗んだ鮫肌男(浅野忠信)と偶然出会った桃尻女(小日向しえ)が、ヤクザたちと繰り広げるクレイジーな逃走劇。原作は望月峯太郎の「鮫肌男と桃尻女」という漫画です。漫画の映画化でここまで成功したのも珍しいくらいの傑作。

で、キャラクターがとにかく立ってます。浅野忠信はビシっとスーツで決まって超カッチョイイし、小日向しえもスタイル抜群でめちょめちょ可愛い。んで、とにかくみんな変なやつばっかり。個性が強すぎて面白い。キャスティングはほぼ完璧です。

そんで、その中でも特に突出しているのが我修院達也。もうね、最高。何なんだね。彼は。あのキャラよ。あんなん笑うわ。

しかも、のちのちインタビュー記事なんかを読んでみると、あの「ドナドナ」は本人がアドリブで歌い始めったっていうんだからビビる。天才かよ。マジで。そりゃあ浅野忠信だってマジ笑いするわ。

映画のラストには、オチもしっかりついてて見応え十分。ドキドキワクワク、これほど楽しませてくれる映画もそうそうありません。余談ですが、後日、小日向しえがココリコ田中の嫁だと気付いて、ぶったまげました。

第34位 Love Letter(1995年)

間違いなく、永遠に胸に刻み込まれる名作。天国にいる恋人にラブレターを送って、もしも返事が来たら……??ってことをテーマにした映画です。ぶっちゃけると、これ、あり得ないくらい涙腺決壊。ボロ泣きしました。

北海道・小樽を舞台に繰り広げられる雄大な雪景色が、どこかノスタルジックで美しい。図書館の匂いとか学校特有の雰囲気、そのあたりが無性に懐かしい。んで、図書カードを使った見事な演出……うまい。

映画を観始めた最初の20分くらいは正直「??」なんですが、騙されたと思って最後まで観て欲しい。物語が進むにつれて疑問に思っていたところも「そういうことか…..」と全部解決していきます。

んで、一人二役を演じた中山美穂の圧倒的な透明感。これはホント素晴らしかった。マジで。さらには酒井美紀の初々しさ。ここもまた良い。

岩井監督は、自分の理想の女性像を作品の中で表現することが多いですが、この2人はボクの中でも超どストライク。こういう作品を末永く撮って頂きたい。

とにかく切なく。とにかく美しく。とにかく純愛。ラストの展開もめちゃくちゃ心に残ります。劇場長編映画デビュー作ですが、間違いなく岩井俊二監督の最高傑作。鑑賞した人すべてに幸せをもたらすような作品に仕上がっています。この映画を見るときは、ハンカチを忘れずに。

第35位 狂い咲きサンダーロード(1980年)

近未来をテーマにしたバイオレンス映画。バリバリの暴走族アクションが全開で、マグマが煮えたぎったような熱気にあふれています。邦画オールタイム・ベストなどでも常に上位に食い込み、日本インディーズ映画の最高峰ともいわれるほど。

物語の舞台は、暴走族同士の抗争が夜な夜な繰り広げられている街、サンダーロード。その近未来の街を舞台に、暴走族や右翼団体とのぶつかり合いが描かれています。ぶっちゃけ、ものすんごく勢い重視の映画で、ストーリーや音声は無茶苦茶と言えば無茶苦茶です。これで成功したっていうんだから、まさに狂い咲き。

当時、まだ22歳の学生だった石井聰亙監督(現在は石井岳龍に改名)が、大学の卒業制作として手掛けた作品としても有名。

あまりにも完成度が高く、未だにこれが卒業制作だなんて信じられません。たった一人の学生が監督し、日本映画界に夜露死苦!したことでも伝説的な作品になっています。

で、この映画を語るうえで欠かせないキャラは、主人公の特攻隊長・仁を演じた山田辰夫。ちょっとやそっとではへこたれない精神・肉体面のタフさを持ち合わせていて、それがこの上なくカッチョイイ。

けしてほめられた暴走族ではないけど、それ以上の“悪”に対して彼は命がけで戦います。男の美学とはこういうもんかと、ハードボイルド好きにはたまんないダークヒーローです。もはや新人とは思えないほど渋い演技を魅せてくれます。

そんで、もう一人強烈な存在感を放っているのが、俳優・小林稔侍。この作品では“右翼”の幹部として登場する剛を怪演。彼はキーパーソンとして活躍し、物語をかき乱していきます。

その剛の“秘密”には誰もが驚かされるでしょう。この複雑で難解な役柄を見事に演じ切った小林稔侍には、大きな拍手を送りたいです。

第36位 十三人の刺客(2010年)

ここ最近の「時代劇映画」の中では、ぶっちぎりの面白さ。そして圧倒的な迫力。思わず息を呑む緊張感。どれをとっても文句なし。ボクが時代劇にハマるきっかけとなった作品です。

総勢300人を越える侍たちに、たった13人の刺客たちが一世一代の大勝負に挑む物語。1963年に公開された『十三人の刺客』のリメイク版です。半世紀の時を経て、現代版に作りなおされています。

監督はヒット作品を生み出し続けている三池崇史。主演にはどんな役柄も自由自在にこなす役所広司。まあこれだけ最高なもんが揃っているんだから、そりゃあ面白くないわけがない。

序盤のシーンは昔の言葉が分からないと、ちょっと退屈かもしれませんが、騙されたと思って最後まで観て欲しい。何と言っても見どころは、終盤に待ち受けている戦のシーン。

想像を絶する躍動感と迫力のスゴさで、完全に心が持っていかれました。時代劇ならではの斬って斬って斬りまくるシーンは圧巻の一言。わざわざ役所広司が「お命頂戴つかまつる!!」って言う場面は、侍っぽくてシビレました。

んで、アイドルとは思えない稲垣吾郎の悪役っぷりには本当にビビる。無表情で残虐非道を繰り返す狂気的な姿が怖すぎて震えまくり。もはやアレは、サイコホラーの域。あれほど不気味な役をこなせる人は他にいないでしょう。敵ながらアッパレです。

何はともあれ最初から最後まで見応えたっぷりなので、時代劇をあまり観ない人にこそ観て欲しい一本。

第37位 恋人たち(2015年)

たぶんめちゃくちゃ好き嫌いに別れる映画の一つ。今の日本で生きる不器用な人々を描いた人間ドラマの傑作。タイトルが「恋人たち」という割には、イケメンとか美女とかそんな華やかな人たちは一切出て来ません。

でも、そこがリアル。人生ってそんなもんだし、それが現実。だから妙な親近感を感じて、めちゃくちゃ感情移入してしまいました。

「ぐるりのこと。」でもそうだったけど、橋口亮輔監督ならではの鋭いセンスが爆発しています。やっぱりこの監督はすっげーです。人を見る観察力が格別です。

で、それを一瞬一瞬の脚本に生かせてるのが、もはや恐ろしい。誰もが感じているけど、口にできない日本の違和感みたいんもんを見事に描ききっててスゴい。

しかも、商業目的としたメジャーな映画では、決して取り扱わないマイナーなテーマにまで手を出しています。ネタバレしてしまうからあまり言及したくないけど、平々凡々過ぎる夫婦の性生活とか、同性愛者の人たちにしか分からない恋の苦しみとか。(これ以上の詳細は是非とも本編で)

んで、この映画には主人公が3人います。篠原篤、成嶋瞳子、池田良と完全に無名の新人俳優たちを大胆にもキャスティング。と、言っても彼れは他の人気俳優たちを蹴り落として、オーディションで勝ち抜いてきた実力派。

そんで、そんな彼らに合わせた脚本が書き下ろされているため、違和感なく映画の世界に入り込めます。役名をわざと本名に合わせている点にも注目です。

生きているとツラいこともあるけれども、それでも生きていかないといけない。なんというか現実の社会に疲れ切っている人にこそ観て欲しいし、細かい部分にまで共感できるはず。

そういう人たちのどこか心の支えにもなりそうだし、ある種の救いにもなる映画かもしれません。少なくともボクの中では、なんとなくそう感じたので。いや、参った。それにしてもこれは見事な作品でした。

第38位 私をスキーに連れてって(1987年)

現在では、「ウインタースポーツと言えばスノボー!」って感じですが、その昔、1980年代後半には「ウィンタースポーツと言えばスキーだ!」っていうスキーブームの時代がありました。そのブームの火付け役となったのがこの映画です。

軽快なコメディタッチで描かれる痛快青春コメディ。鑑賞後の全身に広がる爽快感が異常です。超気持ちいい。

主演の原田知世と三上博史のチャラい恋愛映画でしょ?と思いきや、すごい映画なのです。

バブル時代の若者達のリアルな日常がうまく描かれているのと、劇中で使われた場所や車、グッズなどにも不思議な魅力があり、雪道には4WD自動車が良いとか、当時は知名度が低かったスタッドレスタイヤを劇中で使用して認知度をあげたとか、劇中に出てくる「プリンスホテル」の予約が取れなくなったとか、いろんな社会現象を巻き起こし、この映画を観た後でスキーを始める人が多発。

また、この作品を語るうえで欠かせないのが、主題歌と劇中歌。ユーミンの「サーフ天国、スキー天国」と「恋人がサンタクロース」が使われています。

この映画のヒットと同時に曲もヒットして、当時のスキー場のほとんどがこの2曲を中心にゲレンデでユーミンを流し続け、映画の主人公さながら、スキーと恋愛を満喫しようとする若者達でゲレンデはいっぱい!みたいな現象が起こったとか。今でも冬にユーミンを聴くとなんだかじっとしていられない大人達、多いでしょう。

他にも、劇中で使われたトランシーバーや携帯型防水カメラ、白いスキーウェアなど流行をたくさん生み出したこの映画、当時の最先端が詰まっています。バブル時代を知らないボクと同世代の人が観たら、それはそれでかなり斬新で新鮮なはず。

第39位 恋の渦(2013年)

頭の悪い9人の男女が繰り広げる「超低俗」な密室恋愛劇。登場人物が引くぐらいおバカ。で、死ぬほど愚か。そんな彼らがドロッドロの恋愛模様繰り広げていくもんだから、クッソ面白い。しかもそれを「最高にポップ」に仕上げてて、もはや笑うしかない。

監督は『モテキ』で一気にブレイクした大根仁。監督独自の世界観がこの作品でも炸裂しています。特に脚本と編集がバツグンに良い。俄然『モテキ』よりもこっちの方が好き。完全に無名の俳優陣だけで、よくここまで出来たなーと深く感心させられます。

んで、セリフや行動も細かいところまで練りに練りこまれてて、いちいちリアル。さほど恋愛経験が多くない自分でさえも、何度か自分自身に思い当たる醜態シーンがあって、思わず乾いた笑い声を上げてしまいました。

とくに某男子が好きな彼女に甘えるシーンなんて、もはや目をふさぐしかなかった。なぜなら自分も同じようなことをした経験があったからw

しかも出てくる登場人物が、全員ヤ○チンとヤ○マンっていうんだから、もはやどうしようもない。「夢」とか「希望」「青春」なんて、そんな生ヌルいテーマは出てきません。

出てくるのは、ただただ欲情に身を任せたおバカな男女と浅はかな友情だけ。これぞまさに、ゲスの極み。

人生に絶望しているときなんかに観ると「自分はまだまだ大丈夫だ!」つって、不思議と元気と勇気が湧いてくるので、そういう意味でもオススメです。

第40位 フラガール(2006年)

素人の田舎娘がプロの“フラガール”を目指して、努力し突き進んでいく青春群集劇。

舞台は規模縮小に追い込まれ、すっかり廃れてしまった福島県のとある炭鉱。そんな炭鉱を活性化しようと「ハワイアン計画」が生まれフラダンスを広めようと考案。ところが集まったのは、超田舎くさ〜い4人の娘たち。果たしてハワイアン計画、成功するのでしょうか……?

見どころはやはり、蒼井優が演じた最後のフランダンスシーン。「美しい!」ただただその一言に尽きます。腰のラインがとにかく色っぽく、リズムに合わせて衣装がファサッ!ファサッ!と鳴る音に、ボクの心も思わず踊ってしまいました。ハワイアン計画に反対していた住民たちも、彼女のダンスをみて次第に笑顔になっていくシーンでは涙腺決壊。

んで、特にボクが注目してほしいのは、小百合を演じた南海キャンディーズのしずちゃん。これがまたかなり良い味を出しています。口数が少ないながらも、田舎クサ〜イ雰囲気あふれる独特の演技。

最初はぎこちない笑顔にカクカクのダンスしか踊れなかった彼女が、最後には自然なかわいらしい笑顔を魅せてくれます。デカい体をしながらもキレッキレの美しいダンスもこれまた見どころ。涙を流しながら「躍らせてくっしぇ!」と願う姿は、不覚にも美しく感じてしまった。悔しい。

濃厚な120分で、テンポもよく物語がドンドン進み感情移入しやすい。笑ったりウルウルしたり、最高に楽しめるはず。あきらめずに突き進むって素晴らしい。努力は裏切らない、とはまさにこのこと。

監督は人を泣かせるためのポイントを知り尽くしています。だからこそ観終わったあとには「本当に良い物を魅せてもらった!」と大満足できる一本です。

第41位 海街diary(2015年)

優しさに満ち溢れた最高の癒やし系映画。

吉田秋生の原作漫画『海街diary』を是枝裕和監督が実写映画化した4姉妹(綾瀬はるか・長澤まさみ・夏帆・広瀬すず)のお話です。

是枝監督は、ごく普通の日常を描くのがマジで上手い監督ですが、本作品でもその見事な手腕を発揮。とくに鑑賞後の多幸感にかけてはピカイチで、ここだけの話3日連続で観た。

なかでも、姉妹が住む鎌倉の家の“縁側”の描写が素晴らしい。姉妹がたわいもないおしゃべりをし、毎年梅酒を作り、夏は庭で花火をする。縁側がない家で育った人でもこの風景には懐かしさを感じるでしょう。この家の居心地の良さが、画面からヒシヒシと伝わってきます。最高の癒やし。

んで、母親役の大竹しのぶと、大叔母役の樹木希林の快演がお見事。この2人の大女優は出てくるだけで空気が締まります。やっぱスゴい。で、母親と4姉妹の再会でストーリーが急展開。それぞれの女優の表情からそれまで見えなかった家族の傷が浮かび上がってきて、一気に引き込まれます。

特に注目して欲しいのが、祖母の漬けた梅酒で母と娘が距離を縮めていくところ。切りたくても切れない親子の関係を表現した見事なシーンでした。是枝監督はこういう人の心情を描くのがホントに絶妙。痺れる。

で、マジ豪華クソ豪華な4姉妹を演じた女優たちが織りなすハーモニーも良い。とくに、三女・千佳(夏帆)とすず(広瀬すず)が、祖母直伝のちくわ入りカレーを食べながら会話をする場面が好き。父親の記憶がほとんどない千佳が、父親が自分と同じ釣り好きだと知って喜ぶときの夏帆の表情がたまらん。彼女はこの役で、女優として一皮むけた感じがしました。

第42位 AKIRA(1988年)

1988年に公開された、大友克洋原作・脚本のジャパニーズ・SFアニメーション映画。海外でも人気が高い作品で、ハリウッドでの実写映画化も未だに噂されているほど。

噂によると実写映画の監督はなななななななななななななななんと、あのクリストファー・ノーラン。これは大いに期待です。

物語の舞台は、2019年のネオ東京と呼ばれる近未来の日本。暴走族の一員だった“鉄雄”が軍隊と接触し、超能力を得ることに……。そこから様々な事件・事故が繰り広げられ、戦争の恐怖や原爆の怖さなどが描かれています。

混沌に満ちた世界観、リアルすぎるキャラクターの動き、想像を絶するバイオレンス。どれもがアニメの領域を遥かに越えています。そんな中でも、金田の乗っているバイクはアニメ映画とは思えないほど最高にクールで興奮するし、超能力のアイデアや発想もめちゃくちゃ衝撃的でした。

ほかにも映画の中で「2020年に東京オリンピックが行われる」という予言が当たり、もはや映画界の神話となっています。さらに税金政策の失敗も作中で取り上げられていて、もはやこれからの“日本の未来”が描かれているような作品です。SFアニメとしてだけではなく、そういう点に注目しても面白い一本になっています。これもマジで一見の価値あり。

第43位 リンダ リンダ リンダ(2005年)

主人公は、留学してきた韓国人の女子高生ソン(ペ・ドゥナ)。そんなソンが、ひょんなことから女子高生バンドのボーカルになるストーリーです。で、その彼女たちが演奏する曲として選んだのが、ブルーハーツの「リンダリンダ」という設定。

ところどころに笑いのネタが仕掛けられているため、クスクス笑える青春ドラマに。ソンが日本語を、あまりうまく話せないからこそのマヌケっぷりが良い。空気が読めないキャラクターですが、ほどよく笑わせてくれます。

んで、香椎由宇みたいな女子は「あー、いるいるー。こういう女子、クラスに一人はいたわー。」つって、ほくそ笑んで観てました。あと、先生役に甲本雅裕さんをわざとキャスティングしているところもニクい。細かいところにまで作り手のこだわりがあって非常に面白い。

またセリフだけではなく、映像カットや登場人物の表情によって、人間関係を描写していくのもめちゃんこ上手い。特に最初の“廊下の長いワンカット”がスゴく印象的。山下敦弘監督の演出がこの上なく新鮮で、一気に映画の世界に引き込まれてしまいました。

他にも女子高生っぽいあるあるなネタと、歯がゆい恋愛エピソードなど絶妙な空気感で描かれていて、最後まで飽きさせません。そして一番の見どころは、やっぱりラストのライヴシーン。とにもかくにもアツい。すべてがこのクライマックスへの布石になっているため、熱唱しているシーンでは、脳みそからトリハダがたちました。

第44位 サマータイムマシン・ブルース(2005年)

『サマータイムマシン・ブルース』はね、もうね、最高におバカ。んで、この上なくおバカで楽しい映画です。こういうのめちゃくちゃ好き。

バック・トゥ・ザ・フューチャーから強烈なインスパイアを受けているSFコメディの快作。大学生たちが、タイムマシンを手に入れながらも、壊れたクーラーのリモコンを救いにいくっていうなんともチープな設定が良い。

序盤は何のことか分からない展開が続きますが、終盤には見事に伏線が回収されていきます。脚本がめちゃくちゃ細かい部分まで練りこまれてて、内容はチープではありません。この計算高さはマジで天才。んで、地味に笑えます。

瑛太と上野樹里だけでなく、キャスト全員が最高。よくこの世界観を表現できたなーと感心させられます。エンターテイメントとしての笑わせ方、見せ場の演出、発想、伏線の張り方などなど、どれをとっても絶妙な作品なので、絶対に楽しめること間違いなし。夏休みになると毎年必ず観ています。これだけは外せない。

第45位 ピンポン(2002年)

卓球を題材にしたスポ根もの。原作の漫画がめちゃくちゃ面白いもんだから、映画もクッソ面白い。あとアニメも。でもボクはやっぱり映画が一番好き。

ラストまで一気に駆け抜けていくテンポの速さが最高に気持ちいい。まさに卓球のラリーのような感じ。で、あの作品をわずか2時間以内にまとめてるのはもはや神業。好き過ぎて今まで何回観たことか。

んで、ペコの窪塚洋介やスマイルのARATAとかキャスティングもほぼ完璧。地味にドラゴンの中村獅童とか、アクマの大倉孝二とかも。こんなハマリ役の人たちをよく見つけられたなーって感心しました。この辺のジャスト感は、原作の漫画と読み比べてみて欲しいところ。ビューティフルジョーの竹中直人だけちょっとイメージと違うけど、アレはアレで良い。

特にペコとドラゴンの試合はマジで鳥肌モノ。いつの間にか映画の世界に飲み込まれる感覚とあのドライブ感は、他ではなかなか味わえません。んで、ラストの終わり方もめちゃくちゃ心地いい。爽快感と多幸感に溢れ、スッキリとした気分になること間違いなし。

漫画を実写化した映画で、こんなにも「観て良かった!!」って思ったのも珍しいくらいの名作。邦画のヒーローここに見参!!

第46位 南極料理人(2009年)

-50℃で標高3800mの南極に派遣された8人のオジサン研究員たちの話。主人公の西村さん(堺雅人)は、そのメンバーの調理担当という設定です。

色々とトラブルが起こりますが、観てて癒やされます。独特の哀愁が漂ってて大好き。作品の全体的な空気感とか、ラストシーンがスゴく良い。彼らの南極での生活が楽しく愉快に描かれています。

堺雅人が独特の雰囲気を醸し出してるので、常にクスクス笑わせてくれます。彼のファンなら必見です。ホントに堺雅人はこういう映画にぴったりだと思う笑。

んで、実話のエッセイが基になっているため、ストーリーが妙にリアル。夜な夜な研究員たちがラーメンを隠れて食べるシーンとか、水を使いすぎてケンカになってしまうシーンとか。実際にあったことなんだろうなぁとクスッとさせられます。中華料理のシーンはさすがにフィクションなんだろうなーと思って、原作を読んでみると本当にやってたから笑える。

また料理に関するエピソードも細かいところまで、表現されてて面白い。へぇ連発な情報も盛りだくさんで、その点にも注目。ちなみに登場する料理が本当に美味しそうなので、夜に観るとかなり危険です。観終わったあとは、無性に豚汁とラーメンが食べたくなりました笑。深夜の飯テロに注意。

第47位 キサラギ(2007年)

アイドル・如月ミキが自殺した真相を追う極上の密室サスペンス。ヘンテコリンなオタク映画かと思いきや、中身は日本を代表するような傑作です。めっっっちゃ好き。

これでもかってくらい脚本がめちゃくちゃ練りこまれています。そのため、至るところにちょっとした伏線が仕掛けられていて、感動すら覚えるレベル。何度も予想を裏切ってくれるアイデアのダイナミックさは、凄いとかいうレベルを遥かに超えて、もはや鮮やか。この点は高く評価したい。

で、この映画がスゴいのはサスペンス映画としてだけではなく、ハートフルなヒューマン・コメディとしても楽しめるところ。どっちかだけではなくて、どっちもが絶妙に混ざり合ってて、かつ面白いっていうのが素ん晴らしい。その中でも特に香川照之の演技力よ。他の映画を観てても思うけど、天才かよ。マジで。

ただラストのくだりは本当に勿体ない。大傑作がパーになっています。もしアレが無ければ、史上最高に好きな邦画になっていたでしょう。見終わったあとは、ちょっとしたガッカリ感に襲われます……。なんというか非常に残念。その一言に尽きます。

でもそれまでのストーリーがバツグンに面白いので、一度くらいは観る価値あり。

第48位 うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年)

アニメ映画のフロンティアを切り開き続ける押井守監督の最高傑作。ぶっちゃけ『パトレイバー2 the movie』と『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』とも悩んだけど、やっぱりコレ。記憶、時間、認識といった哲学的とも言えるテーマをファンタジーで包み込み、観客を混乱させ魅了する。そういう演出がたまらなく好き。

で、押井監督が暴走しまくりのやりたい放題で、監督の鬼才っぷりが遺憾なく発揮。どっからどう観ても押井!!押井!!押井!!アニメ映画としてはほぼ100点の出来。でも「うる星やつら」としてはほぼ0点の出来。あまりにも原作からかけ離れていたため、原作者の高橋留美子先生が呆れてブチ切れてしまったんだとか。

と、まあそんな超クセのある作品なので、とりあえず一度観てくれ。好きな人にはめちゃくちゃハマるだろうし、嫌いな人は終止トンチンカンで終わってしまいそう。言葉にできない不思議な魅力が詰まった、そんな0か100の映画です。

んで、ラムちゃんも文句なしに可愛いけど、この映画に関してはメガネの存在が最高すぎる。今の時代に観ても破格の面白さ。1984年に戻って、是非とも映画館の巨大スクリーンで観直したい。(この作品は、うる星やつらをあまり観たことなくても、存分に楽しめます。)

第49位 ゆれる(2006年)

「面白い映画って何?」って聞かれたら色々と答えがあるけど、そのうちの一つに「観終わった後に色々と考えさせられる映画」っていうのがある。で、この『ゆれる』っていう作品はまさにそれ。作中の様々な部分があえて語られないので、観る人によって全然解釈が違ってきます。特にラストの編集が途中でズバッと切れて終わってて、実に素晴らしい。

ストーリーはなかなか残酷です。あまりイケてない真面目な兄(香川照之)と、イケメンで一流のカメラマンとして大成功した弟(オダギリジョー)の物語。この全く異なるタイプの兄弟の間で、“吊橋でのとある事件“をきっかけに2人に大きな亀裂が生まれることに。その事件をめぐり兄弟間の確執や嫉妬、人間の欲望が恐ろしいほどリアルに描かれています。

監督は、前作『蛇イチゴ』でヒットを飛ばした当時30代前半の西川美和。そんな彼女の映画監督としての才能が惜しみなく開花した本作は、脚本、カメラワーク、編集、キャスティング、演出、そのすべてが高次元で結びついた傑作です。んで、彼女が得意とする登場人物の描写力にはさらに磨きがかかり、それぞれの心理を表現したシーンは、サスペンス映画のような緊張感。この演出センスは圧巻意外のなにものでもありません。

もちろん、この『ゆれる』がこれだけ良い作品に仕上がっているのは、オダギリジョーと香川照之の名演も欠かせません。この映画は彼らの視線もポイントの一つ。セリフで説明しすぎずない代わりに視線で人々の心理描写を行っていきます。絶妙なまでの演技で、それぞれの心理や本音を見事に演じきっています。

監督2作品目でこれだけのクオリティのものが創れるのは、努力でどうこうしたらできるとかそんなレベルではなく、確実に生まれ持った才能によるもの。作中に登場する「吊橋」や「登場人物の心」そして「観ている人たちの感情」まで、色んなものが「ゆれる」映画です。ちなみにこのオリジナルの脚本は、西川監督が見た「夢」を元に創られているんだそう。

第50位 運命じゃない人(2004年)

『アフタースクール』や『鍵泥棒のメソッド』で一躍有名になった、内田けんじ監督の衝撃のデビュー作。はじめての作品にしては出来過ぎてます。ストーリーの構成や伏線の張り方、見せ所の演出、キャスティング、その他も全部。

スロースタート過ぎて最初の30分は面白みを感じないかもしれませんが、騙されたと思って絶対に最後まで観て欲しい。監督自身も「映画は脚本が命」と言うだけあって、何気ないシーンにもちょっとした伏線が仕掛けられててクッソ面白い。とにかく伏線の回収っぷりが爽快です。んで、面白さがドンドン加速していきます。

そして、ところどころ観る者をクスクス笑わせてくる小ネタも散りばめられてて、この上なくニクい。一度ハマってしまうと、最後まで心を鷲掴みにされること間違いなし。なんというか映画ならではの面白さに満ちあふれています。

そんで、低予算で無名のキャスト陣だけでよくぞここまでのものを創れたなーと思わず膝を打ちました。それぞれの登場人物の設定もかなり練りこまれててもはや気持ちいい。特に主人公の中村靖日がめちゃくちゃいい味を出しています笑。単純でアホだけどなぜか憎めない絶妙なキャラクターです。

とにかく内田けんじ監督は、デビュー作からすでに磨き抜かれた演出センスで、人を心から笑わせるユーモアのセンスにあふれています。はじめて観たときは、このセンスに激しく脱帽でした。この監督は、日本のみならず世界中でもその演出センスが高く評価されていますが、彼が“そういう運命だった人”を決定づけた一本。

第51位 ヒーローショー(2010年)

配管作業でバイトをする不良と、売れないお笑い芸人の人生を描いた衝撃的な作品。

「青春」「バイオレンス」「エンターテイメント」に被せ、井筒監督が「暴力=ダサい」ってことを表現した映画です。理不尽な暴力やグロテスクでショッキングなシーンなど、思わず目を背けてしまうような映像が多いので、閲覧注意。

主演は、お笑い芸人の『ジャルジャル』。やはり見どころはこの二人の演技。ヒョンなことから暴力事件に巻き込まれるユウキ(福徳)は、暴力に巻きこまれ元相方がボコボコにされているのを見るも、弱すぎて何にもできない、やるせない表情が渋い。「お笑い芸人になってM1に出て、徹子の部屋に出るのが夢なんです!」って笑顔で夢を語る彼の姿にはリアリティがあり、不覚にもかっこよく感じてしまった。

そして、配管でバイトをする番長的な存在の勇気(後藤)。 普段のヒョロヒョロニヤニヤした後藤からは打って変わって、パンチの効いたイカツい演技を魅せてくれました。んで、激しいキスシーンもお披露目。やるな後藤。彼女と子供と幸せになりたいと涙を流すシーンも。なんというか、もはや一流俳優っぽい。

ちなみにこの映画は、東大阪大学で実際に起こった集団リンチ事件をモデルにしています。暴力とか、“やられたらやりかえす”とか、そういうのってやっぱダサい。登場人物たちは、失ってから大切なものに気付いていきます。暴力や喧嘩に対して再度考え直す機会を与えてくれました。さすが芸人というオモシロな展開にも注目です。

第52位 マインド・ゲーム(2004年)

アニメ『四畳半神話大系』や『ピンポン』で一瞬でボクをトリコにした湯浅政明の映画監督デビュー作。人間の感覚を超越する監督の天才っぷりが爆裂し、その磨き抜かれた才能の原点がここにあります。ストーリーうんぬんよりも独特の世界観やイマジネーションをたしなむべき作品です。

アニメの中に実写が混ざっていて、これまた斬新で不思議な感じ。主人公の西の声優を務めたのは、吉本興業の芸人・今田耕司。主人公の顔が、たまに今田の顔になります。それがまたシュールで面白い。んで、終始服から乳首が透けてる。おそらくこれは、天才湯浅監督にしか分からないこだわりなのでしょう。

冒頭は、幼稚な下ネタが繰りひろげられたり、レイプされそうになったり、ケツに銃を突き付けられたり……。結構ゲスイ場面が多いですが、コンピュータの中に入ったかのような西の回想シーンなんか、映像も綺麗で見入ってしまいます。

とにかく、カラフルかつシュールな作風で、かなり独特な表現で湯浅ワールドが全開。人生は自分で作り上げるもので、やり直しだってできる。登場人物が、もがきながらがむしゃらに生きている姿を見ていると、自分も人生をもっと楽しもう、と思えた。なんというか“人生”について考えさせられるし、失いかけてた何か大切なものに気付けた気がした。そして何よりも“湯浅政明”という次世代の新しい才能が開花した決定的瞬間を見逃さないで。

第53位 GO(2001年)

在日韓国人の高校生が主人公(窪塚洋介)で、恋と友情に悩みながらも、自分らしく成長していく姿を描いた青春恋愛ドラマ。

「在日問題」という「差別」や「偏見」について、真正面からぶった切っているため、他の恋愛映画と比べるとワンランク違います。奥深さが。

日本に住んでいる「在日」と呼ばれている韓国人の方々が、どんな気持ちで生活しているのかが、めちゃくちゃリアルに伝わってきます。で、それを「恋愛映画」というジャンルで間口を広げて、多くの日本国民に届けたことが何よりも偉大。

また、窪塚洋介と柴咲コウというキャスティングのハマりっぷりは見事。そのおかげで疾走感に溢れ、カッチョ良く、めちゃくちゃ心に残る名作になっています。個人的に好きな“窪塚節”が随所に効いてるところも良い。

「もう一度言うけれどもこれは恋愛に関する映画だ。」行定勲監督と宮藤官九郎の脚本による素晴らしき傑作。

つじもんのまとめ

tsujimon

めっちゃ長くなってしまいました。すみません。ぶっちゃけ「好きな邦画」を50作品に絞るのは、到底できなかったです!!笑

上位に関しては「おいおい、黒澤明と三船敏郎ばっかりじゃねえか!何だよこのランキングは!ふざけるな!この間抜けが!」と、つっこまれるかもしれません。でも仕方ないんです。なぜなら黒澤明と三船敏郎こそ日本の映画であり、日本の映画こそ黒澤明と三船敏郎だから。

ほかの作品でありえない独特の緊張感と、スピーディーに展開されていく練りに練られた脚本がたまらん。やっぱり脚本がよく練りこまれた作品ほど面白いので、「映画は脚本が命」だとつくづく感じます。

あとは川島雄三監督や市川崑監督、岡本喜八監督が好きです。当たり外れがありますが、しっかりと創りこまれた作品が多いので、脳天からシビれる経験が何度もありました。現役の監督では、園子温監督と北野武監督、黒沢清監督の映画がお気に入り。胸をエグられるような強烈な余韻が残る作品が好み。

他にもコメディ映画がけっこう入ってる感じ。いかにもバカバカしくて、クスクス笑わせてくれる演出とかも好き。今回はランキング外になってしまいましたが、『テルマエ・ロマエ』や『横道世之介』『地獄でなぜ悪い』なんかもかなりハマリました。

ランキング20位内は、どれも同じくらい好きなのでほぼ同位くらいだと思って下さい。順位をそれぞれ付けましたが、どの作品もかなり好きです。

あと今回は、ジブリ映画を省いています。入れてしまうとキリがなくなってしまうので。アニメ映画は他にもいくつか削ってしまったため、別記事でまとめてみても面白そう。『河童のクゥと夏休み』とか『鉄筋コンクリート』『サマー・ウォーズ』とかも入れたかった。

ちなみに急遽追加した3作品は『この世界の片隅に』と『君の名は。』、『シン・ゴジラ』です。最近観たばかりなので、ちょっと順位は高めです。ランキングに関しては、まあそんな感じ。

まだまだ面白い作品や有名な映画も見逃していると思うので、ここに載っていないオススメの作品などあれば、ツイッターなどでどんどん教えて下さいね!!また新しく好きな邦画を見つけたら追記や順位の調整を行っていきます。

あ、「洋画のおすすめランキング記事」もあります!! ただ、洋画版の作品チョイスは、かなり初心者向けなのでそこまで読み応えがないかも。一応、リンクを貼っておきます!!

面白いおすすめ映画ランキングベスト100!DVDでレンタルできる名作洋画リスト