こんにちは!つじもん@tsujim0nです。
やべえよ!! やべえ!! 久しぶりにかっ飛ばされた映画を観ました!! ありえないほど面白かったので、ブログで紹介します!!
タイトルは『シチズンフォー スノーデンの暴露』ってやつ。もうね、吐くほど面白い。戦慄しまくり。あまりにも刺激的でスリリングでした。映画に胸ぐらをつかまれて、最後まで離してくれない感じ。
こういうの!! こういう映画が観たかったんだよ!!
ということで、得点は90点!! 90点です!! この点数ですら、むしろ低すぎるんじゃないかって思ってるレベル。
内容は、2013年に世界中を揺るがした「スノーデン事件」の真相に迫る、超極上の実話ドキュメンタリー。あの歴史的大スクープの瞬間に、キチンとカメラを回してたことが何よりも凄い。
んで、それを1本の超濃厚なエンターテイメントとして仕上げた編集センスにガチ惚れ。ここ数日、他に観た映画が全部ぶっ飛んだほど衝撃的でした。
とにかく、この映画はより多くの人に観てもらいたいと思ったので、簡単に紹介していきます!! 一部「ネタバレあり」なのでご注意を。(※ドキュメンタリーなので、ネタバレも何もないですが一応……)
『シチズンフォー スノーデンの暴露』のあらすじ
事件の名前は「スノーデン事件」。元CIA、NSA職員のエドワード・スノーデンが「世界中のメール、通話、SNSなどは、アメリカ政府にすべて監視されている」と、歴史的大暴露をしたもの。
で、それを起こした当事者たちの、計画から実行段階までに密着し、その後までも追っていく驚愕のドキュメンタリー。監督は、ローラ・ポイトラス。言うまでもなく、映画に登場するスノーデンやその周りのジャーナリスト達は、すべて本人です。
まさしく、世界中を揺るがした一大スクープが、刻一刻と明らかになっていく瞬間は、とにもかにもくスリリング。彼が、あの世界一の権威(アメリカ政府)に狙われてる事実もあるせいで、全編を通じての緊張感がバカ恐ろしい。
んで、「歴史的大暴露」の計画の中に、この映画の制作すら考えていたことが、何よりも凄い。そして、それを超濃厚な1本の映画として仕上げた編集力もハンパない。
さらに、スノーデン氏がどんな心境で告発に踏み切ったのか、そして彼が行ったことがどれほど重大だったのか、も痛感させられます。これは、ニュースの報道では決して分からなかった部分で、こういう情報を一般人に届けることがドキュメンタリー最大の醍醐味とも言えるでしょう。
なので、そこらへんの「ドキュメンタリー」とは、もはや一線を画しています。歴史の裏側のようなものを覗いてる感覚で、ありえないほど面白い。
ちなみに、アメリカでは2014年に公開されたものですが、日本では2016年6月になってやっと公開されました。こういう時事ネタを扱うドキュメンタリーとしては、さすがに公開が遅すぎる。
あなたのスマホ、SNS、メールも監視されている
アメリカ政府は、インターネット企業のサーバーに直接アクセスできて、すべての一般市民の行動を監視しています。映画の中では、その物的証拠もガンガン出てくる。
政府が国民をスパイしまくっているという驚くべき内容ーーこれは後のスノーデン氏のインタビューなんかを読んでみると、「日本ももちろん例外ではない」とのこと。(作中のあるシーンではそれが確認できる)
しかも、アメリカ政府に協力している「企業リスト」があまりにも衝撃的。Microsoft、Yahoo、Google、Facebook、YouTube、Skype、Appleなど日頃から利用しているWebサービスばっかり。
つまり、あなたのスマホも監視されている可能性があるということ。この映画は全く他人事ではありません。これから観る場合はそれを大前提として、観てほしい。
本作で語られていることは、単なる作り話ではなく、紛れもない事実。しかも現在進行形で進んでいる出来事です。だからこそ、この映画のパンチ力が凄まじい。そこらへんのアクション映画よりも1000倍くらい臨場感があります。
んで、海外のジャーナリズム魂が、日本のマスコミとは全く違っててビビる。彼らは、自分の仕事に誇りを持っているように感じるし、命すら懸けています。だからこそ終盤は、この作品が持つメッセージ性の深さに、飲み込まれる感覚になりました。
国民がプライバシーを失うとどうなるのか?
国民がプライバシーを失うとどうなるのか?
その答えは、プライバシーを失うこと=自由を失うこと=権利を失うこと。
常に政府から監視されていると、自分の考えを自由に表現できなくなる。なぜなら、政府にとって邪魔になる人間は、無罪でも犯罪をでっち上げられて、刑務所なんかに収監される可能性もあるからです。
現に、スノーデン氏の前3人の告発は事前にもみ消され、不本意な退職を強いられたというエピソードもあります。「シチズンフォー」というタイトルは、スノーデンが4番目の内部告発者だったから。(※もちろん「市民のために」という意味もある)
有権者であるはずなのに国民の権利がなくなってしまう……。それは、政府が国民をコントロールすること意味しています。
政府の「身勝手な行動」で作られる法律によって、何も言えない世の中になるかもしれません。
本作のとある登場人物が語る、「歴史に名を残す独裁者が、真っ先にすることこそ、国民の監視だ」というセリフも背筋が凍るほど怖い。日本でもマイナンバー制度が始まり、「国民の監視」について考えると、他人事ではないことを痛感させられます。
テロはもちろん、許しがたいことです。しかし、それ以上に国家が恐ろしい存在ーー国民が自由に発言できない世界ーーになることも相当ヤバい。そうなってしまうと、取り返しがつかないことになってしまう。
つまり、最終的には、「民主主義」が実質的に崩壊してしまうことを意味しています。国の安全保障はもちろん大事ですが、そのためには何をしてもいいというわけではない。
「国民がプライバシーを失うとどうなるのか?」 その答えが映画の中で語られていることも、あまりにも刺激的でした。
つじもんのまとめ
本作の終盤にある「僕で最後じゃない」というスノーデンの言葉は、本作を観た我々観客自身に、その想いが託されているのだ、と思います。
「今」の時代を生きていく上で、これは「観た方が良い」とかそんなレベルではなく、「観なければいけない」レベル。この作品には、それほどまでに大きな価値があります。
ドキュメンタリー映画としては、おそらく10年に1本あるかないかの超傑作。ボクの中では、マイケル・ムーア監督の『シッコ』以来の衝撃でした。
とにかく、多くの人に観て欲しいし、ただ単に「1本の映画」としてもバツグンに面白い。スマホでメールや通話、SNSなどを日頃からよく利用する人は、かなり楽しめるはず。
資料映像という意味でもめちゃくちゃ貴重な作品です。そして、スノーデン氏が、かなりの「覚悟」と「信念」を持って、情報を暴露していたことを再確認できます。これがアカデミー賞を受賞したことも驚き。(もちろん良い意味で)
ということで、得点は90点。絶対の自信を持っておすすめする快作中の快作です。